副業
文字数 666文字
私鉄もときどきは副業をすることがあるが、私が言うのはタクシーやバスではなくて…。
若い頃、ある私鉄駅をうろうろしていたら、何やらキハが1台、側線を走っている。
それも同じ線路の上を行ったり来たりを繰り返す。片道100メートルも移動しているかどうか。
そこで駅の人に質問してみたら(考えてみれば、何でもかんでも人にきいてみる子供だったのだろう)、
「他の鉄道から人を預かって、乗務員の訓練代行をしているのだ」とのこと。
また別の鉄道だが、国鉄から古い車両を買い取って、自社の車庫に運び込み、解体するという副業をやっていた会社もある。
解体で出たスクラップはもちろん売却するわけ。車両の値段よりもスクラップの方が高く売れた時代だったのだろう。
車両パーツのうち、パーツとして値の付きそうなものは催しをして、鉄道ファンに販売していた。
その時に聞いた話だが、この鉄道があるとき客車を購入したら、なんと冷房がついているじゃないか。
「こりゃいい。これは解体せずに、今走らせている車両と取り換えようじゃないか」
という話になりかけたが、そううまくはいかない。
国鉄が言うのには、解体してスクラップにするならこの値段で売るが、走らせて使うのならこっちの値段になる(当然もっと高い)。
だからこの鉄道の冷房化計画はポシャッてしまった。
ただこの話を聞きつつ思ったのが、
「それは何の車両だったのか?」
ということ。
たしかに車種は客車と言っていたと思うが、あの時代に廃車解体を行い、かつ冷房つきと言えば、10系寝台ぐらいしか考えられないのだけどね。