混合列車

文字数 961文字

 混合列車という言葉はいかにも郷愁をそそるが、実物はろくに見たこともなかったりする。
 だが頭の中に思い浮かべるだけで、色々と疑問が生じてくる。
 例えば、

(機関車)+(貨車)+(客車)

 の順に連結したのか(タイプ1)。
 あるいは、

(機関車)+(客車)+(貨車)

 の順であったのか(タイプ2)。


 田舎の小駅で、こんな配線のものを考えてみる。
(またまたひどい作画で申し訳ない)


           (貨物ホーム)         
       ・・・・・・・・・・・
      /
      /
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
           (旅客ホーム)      


 混合列車は、図の右から左へと走るとして、到着すると貨車を切り離し、貨物ホームへ入れる入換作業をする予定である。

 タイプ1の場合には問題は少ない。まず列車は旅客ホームに停車して客車だけを切り離し、機関車は貨車だけを貨物ホームへもっていき、そこに置き去りにする。
 そのあと機関車は客車のところへ戻ってきて、再び連結して発車オーライ。

 ところがタイプ2の場合には、そうはいかない。旅客ホームで客の乗降を済ませた後、機関車は客車を連結したまま、貨物ホームへ貨車を置きに行かなくてはならない。
 前後進のたびにガタガタゆすぶられる乗客はいい迷惑であろう。

 ならば世の混合列車はすべてタイプ1だったのかというと、そうはいかない。
 タイプ1では、機関車から蒸気を送って冬季に客車を暖房することができない。貨車には蒸気暖房管が通っていないから。
 それでも
「タイプ1を運転したい」
 という場合には、冬季に備え、客車には独自の暖房装置を取り付けなくてはならなくなる。ダルマストーブとかね。

 ところで、私は全く調べずに言っているのだが、今ある混合列車がA駅始発であるとして、途中駅として、b駅、c駅、d駅、e駅をへて、F駅を終着としよう。


F駅 ← e駅 ← d駅 ← c駅 ← b駅 ← A駅


 そして仮に、
「F駅を行先とする貨車は数多いが、b駅、c駅、d駅、e駅といった途中駅ゆきの貨車は少ない」
 といった事情がある場合には、何も難しいことを考えずにタイプ2で全線を走り通すダイヤを組む(途中駅での入換の時間を入れない)混合列車も存在したのではという気がする。

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