蒸気機関車
文字数 595文字
SLの運行は金がかかるのだそうだ。
まず第一に、機関区に入って休んでいるときだからといって、燃料の使用がゼロになるわけじゃない。
ELならパンタを下ろし、DLならエンジンを止めればよいが、SLは一晩中でも火を燃やし続けなくてはならない。
大きな機関区であれば特に、火の入っているロコが真夜中でも何両かはいるわけで、専任の人が割り当てられ、火が消えないように、かといって火が大きくなり過ぎないように、適宜、石炭をくべつつ番をしたそうだ。
火が消えず、かといって燃え上がらずといった状態を保つことを埋火(まいか)というそうで、それをする係。
基本的に、SLに電気配線は不要だ。
ELなんかは電線とリレーのカタマリだし(旧型の場合)、DLだって、セルモーターが回らなければ、エンジンのかけようがない。
だがSLはそんなことはなく、特に明治初期のSLなどは、ヘッドライトは石油ランプか、良くてもアセチレンランプなので、「電気? なにそれ?」という感じ。
SLは、車軸にベアリングなぞはない。
正確にはコロ軸受はないという意味で、全部が平軸受け。
結局設計されただけで、実際には製造されなかったC63という幻のロコは、足回りにコロ軸受を使っていたが、それ以外ではC62あたりの従輪やテンダ台車とか、E10の二軸台車ぐらいじゃなかった?
外国のSLでは、ロッドの軸受けにコロが入っているものもあるね。