600番台

文字数 1,216文字

 突然、キハ20系の600番台車に興味を感じるようになった。
 よくご存知であろうが、600番台というのは、客室の座席の半分をロングシートにして、アコーディオン・カーテンも取り付けて、臨時に郵便荷物車としても使えるようにしたもの。キハユニの代用というか。

 昭和時代の国鉄では、郵便物と小荷物の輸送というのも重要な仕事だったわけで、そのための対応だろう。
 本来ならキハユニ26を新造すべきところだが、コストが理由だろう。
 それでもキハユニ26は59両も作られたが、それだけではもちろん足りないのだろう。

 キハ23系はともかく、キハ10系、キハ40系に600番台は存在しなかったようだが、理由は想像がつく気がする。
 10系が作られていたディ-ゼル化初期の日々には、SLけん引の客車列車がまだまだ日本中を走行しており、一つの路線においても、キハ列車が一日に数本走り、残りはぜんぶ客車列車というように、すみわけができていたのだろう。
 だから郵便物と小荷物はわざわざ気動車列車に積まずとも、客車列車にスユニでも連結して任せておけばいい。
 ところが気動車化が進んで、キハ20系が量産される時代になると、線区によっては、

「走っている列車はすべて気動車列車」

 という場合も出てきただろう。
 ならば、郵便物と小荷物は気動車列車に積むしかない。
 しかし予算の関係で、キハユニ26の製造数は限られているときたら、600番台のような仮の郵便荷物車を作って走らせるしかない。
 また、キハ40系が量産された時代は、鉄道による郵便と小荷物輸送が左前になった時期に重なるのだろう。

 話は脱線するが、キハ35系は、まったく無改造でキハユニ代用ができそうだし、実際に加古川線で目撃したこともある。

 キハ20とキハ25に600番台車は存在したが、どこの線区であれ、600番台車だけによる単行運転はなかったのではという気がする。
 キハ20-600なんぞは実質的には両運のキハユニであるから、単行運転がおもしろいと思うが、いくら閑散線区でも座席定員が少なすぎるだろうから。
 ならば、なぜ両運の600番台が存在したのか。
 北海道の場合は理解しやすい。
 種車はキハ21と22しかないわけで、全部もともとから両運である。
(突然気が付いたが、北海道向けの一般型キハで片運なのは、後にも先にもキハ46の6両のみ)

 じゃあなんで、キハ20の600番台なんてものが存在したのか。
 単行運転を計画していないのなら、全部キハ25からの改造でいいじゃん。
 しかしそもそもキハ25は少数派であり、適当に20系を何両かピックアップして改造してみたら、数の多いキハ20がどうしても混じってしまうのだろうよ。

 この600番台だが、当然ながらキハユニ26には存在しない…、あのねえ…。

(2022年12月追記)
北海道向けの一般型キハで片運なのは、後にも先にもキハ46の6両のみ

キハ48-300が抜けてますね
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