共通点

文字数 903文字


「20系客車とDF50の共通点は何か?」

 なんて質問をされては、誰だって困ってしまうかもしれない。
 たしかにDF50はブルトレをけん引したことがあるけれど、そうではなくて、ここは本当に共通点のお話。
 私は中学生だったが、あるとき友人の家に遊びに行った。
 そこで1冊の古雑誌を見せられたのだが、もちろん鉄道模型に関する雑誌で、目次には『〇〇型の作り方』といった記事が並んでいる。
 〇〇には『こだま型電車』とか『ナハ10』といった車両の形式名が入る。
 昔の雑誌には、こういう製作記事が珍しくはなかったわけ。
 ほとんどがボール紙製のペーパー車両だが、寸法図も部品リストもちゃんと載っている。
 ただ時代が時代で、私の時代よりもさらに一世代古い雑誌なので、もちろんNゲージの作例ではない。HOゲージですらない。
 Oゲージでした。
 その時代のOゲージは縮尺1/45。線路幅は32ミリ。しかもレールは2本ではなく、もう一本多い3線式。
(3線式といっても、地下鉄の第3軌条のようではなく、2本のレールの中央にもう1本ある形)

 それくらい古い雑誌であったわけ。
 そしてこの時、私の目を引いたのが、『DF50の作り方』という記事。

「DF50を作るって、台車はどうするんだろう? パーツが市販されていたとは思えないし」

 私の関心はそこにあった。もともと台車が気になる子どもではあったのだろう。
 急ぎ記事に目を走らせると…

「おお…」

 もちろんDF50用の台車パーツなど、当時も今も市販されてはおらず、

『台車は、形が似ているTR55を流用する…』

 と書かれているではありませぬか。

「え? え? えーっ?」

 20系客車の台車ですな。当時恐らく、TR50も発売されていなかったのでしょう。あれば、TR50の方がまだ近い形なので。
 記事には、もちろん完成車の写真も載っていた。時代が時代なので、茶色塗装だったような気がする。
 ということで、冒頭の質問に戻ります。

「20系客車とDF50の共通点は何か?」

 答えは、『台車』
 50年前のOゲージ世界においては、「あの2種の台車は類似しているとみなされた」ということ。
(我ながら強引な結論だな)

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