クハ711

文字数 428文字


 形式図を眺めていて、ものすごく下らないことに気が付いた。

『塗装をする前のモハ80-300とモハ711は、双子のようにそっくりである』
 
 と、まさかこれを正当化するつもりはないが、こんなことを思い出した。
 あれは北海道へ行った時のことだから、場所は札幌駅か小樽駅。
 私はあるホームにいて、遠くの別のホームには、回送らしく停車している列車が一本見えていた。

「711系か」

 窓の形と塗色から、私はそう判断したのだ。
 だけど、どこかおかしい。
 先頭車の側面には、客ドアとは別に乗務員ドアが見えている。

「クハ711だよな? だけど…」

 その車両は前方だけでなく、なんと反対側の連結面にも乗務員ドアがあるようなのだ。

「まさか、あのクハ711は両運なのか?」

 そんなものが存在するなど、私は話に聞いたこともなかった。
 ところが、よくよく眺めなおして、やっと事情が分かり、私は納得することができた。
 あれはクハ711ではなく、もちろん両運でもなく…、

 オハフ51でした。

ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み