キハユニ26

文字数 888文字


 写真を見ていて気が付いたのだけど、キハユニ26は、キハ20やキハ25よりも運転台が広いようだ。
 広いというのはつまり、運転台背後の仕切り壁が、キハ20の仕切り壁よりも後ろにあるということ。
 それだけではなく、キハユニの乗務員ドアの前には、キハにはない小窓まで存在している。
 この小窓のぶん、運転台が広いわけ。

 この小窓はキハ55にもあり、存在理由は、

「単線区間において、タブレット交換をやりやすくするため」

 キハ55はそもそも準急用だから、通過する駅も多いからね。
 キハ20/25は普通列車用だから、駅を通過することは考えなくていい。
 もしもキハ20で駅を通過して、通過しながらタブレット交換をしようとしたら大変だろう。
 狭い運転台は、運転士だけでいっぱいなのに、助士はその背後。つまり運転士と仕切り壁の間にヨッコイショと入り込んで、乗務員ドアの窓を開けて交換することになる。

「せ、狭い…」

 だけどキハ55は運転台が広く、運転士の背後に人がひとり、十分に立つスペースがある。これでタブレット交換もラクチン(※)。

 キハユニ26の運転台は、キハ55並みに広いということ。
 つまりキハユニ26は製造当初から、急行や準急の先頭に立って走ることを考えに入れていたのだろう。
 キハ20と違って、少々運転台が後部に広くても、乗客定員を削ってしまうこともない。

 少し時代はずれるが、キハ17系の時には、

「座席定員が少なくて困る」

 という悩みがあったみたいで、キハ17のトイレなしバージョンがキハ16だが、なぜそんなものを作ったのかというと、

「トイレを減らしてでも、とにかく座席定員が欲しかった」

 そうだ。

 ともあれキハユニ26の場合には、運転台を広くしても、乗客定員が少なくなる心配はない。

 私自身見たことはなく、話に聞いていただけだが、紀勢線の急行「きのくに」の先頭車は、キハユニ16だったそうだ(上りか下りかは知らぬ)。
 キハユニ16って、電気式キハを改造した湘南顔のやつだが、郵便室と荷物室を使用するだけで、さすがに乗客は乗せなかったらしい。

(※)ラクチン:もしかして昭和の死語か?
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