答えは知りません

文字数 709文字

 雑誌のページに、EF57が特急「はと」をけん引している写真を見つけて驚いた。(※)
 撮影は昭和20年代で、もちろん東海道線でのこと。
 東海道線の特急けん引機といえばEF58しか頭になかったので、

「へえ、こういうこともあったんだ」

 おそらく運用の都合か何かだろうけど、ふと疑問に思った。
 EF58が1900kW。EF57が1600kW。
 出力が違うのだから、同じ仕事ができるはずはない。ではEF57けん引の「はと」は…

(1)EF58けん引の時と比べ、始めから遅延する覚悟で出発している

(2)こういうこともあろうかと、ダイヤがそもそもEF57の性能で引いてある

(3)EF57のときには編成を短くした

 さて、どれだろうね?

 昭和30年代には、東京から大阪へと走りぬく長距離鈍行が存在したそうで、けん引はEF58だけれど、これも運用の都合で、もしかしてEH10が仕業についたりしたら、どうなったのかなと思う。
 最高速度が限られるのだから、

(1)もちろん大阪へは延着する

(2)最高速度は遅いが、けん引力が大きく加速が良いことを生かして、そこそこいいタイムを維持して大阪駅へ飛び込む

 その答えは私も知らないが、こんなことを思い出した。
 東北線が電化された直後のこと、ED75の製造が遅れていたので、しばらくの間、朝の長編成通勤列車をD62に引かせていたことがある、と本で読んだ。

「なぜにD62?」

 と思っていたのだが、同じ理屈かもしれない。
 小刻みに停車する普通列車の場合には、足の速いC62なんぞよりも、けん引力と加速に優れるD62のほうが結局は早く走れる、ということであったのかも。


(※)鉄道ピクトリアル 1000号 P43
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