単語

文字数 483文字


 小田急の3000系と言えば、私には奇妙な経験がある。
 よくご存じだろうが、初代のパノラマカーのこと。
 ところで、もう何十年も昔から存在する商品に、タマノイ酢というメーカーの「すしのこ」という食品がある。
 家庭で寿司を作る時に利用するものだけれど、これまたご存知の人も多いかも。
 ごく小さなころから私は、
「小田急3000系」
 を目にするたびに、
「タマノイ・すしのこ」
 を連想してしまうのだ。
 なぜかは分からない。
 とにかく小田急3000の写真を見るたびに、口の中にすしのこの味が勝手に広がってしまうのだ。
 もちろん理由は不明で、別に困るというほどのことはないが、奇妙に感じてはいた。
 ところがそのうちに先日、小田急の古いPR写真をネットで見かけることになった。
 白黒写真だが、小田急3000の運転台まわりを写した何でもないもの。
 ところがですね、ヘッドマークがついておりまして。こう書いてある。
「あしのこ」
 ああ一文字違い。
 本当にこういう列車が走っていたそうだ。
「すしのこ」と「あしのこ」
 これらの2単語が、幼い私の頭の中で奇妙な具合にゴッチャになっていたらしい。

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