あるクハ

文字数 541文字

 山陽電鉄の中でも、クハ3619というのは、変わった人生を送ってきた車両だと思う。
 私が中学生だった頃には、クハ3619は3018F(4連)のサハ代用として編成中間に入っており、先頭に顔を出すことはなかった。
 それが何年かして気が付いてみると、いつのまにかサハ代用ではなくなって3018Fを離れ、ちゃんとクハとして別編成の顔になっていたが、驚いたのは、コンビを組むモハ・クモハユニット(3100F)が、なんとアルミ車だったことで…
 山陽電鉄はアルミ車を塗装しないので、このユニットはもちろんアルミ地肌のままである。クハ3619は普通鋼車なのに。
 だけど、さすがに色が違い過ぎると考えたのだろう。クハ3619は塗り替えられていた。アルミに合わせて銀色というか、白のような色。
 クハ3619は結局これまでの人生で、普通鋼車として山陽電鉄の通常塗装を身にまとって、列車の先頭に出たことは一度もないのだと思う。


(2022年5月追記)
先日、なんと3100Fからクハ3619がなくなっていることに気が付いた。3連だったのが、サハ + クハ が連結されて4連になっている。クハ3619はどうなったのか、少し気をもんでいるところ。

(さらに追記)
クハ3619が引退したという記事を雑誌に見つけました…

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