餘部鉄橋

文字数 310文字

 餘部鉄橋という名はとても有名で、私も子供の頃からその存在を知っていた。
 海に面して、ものすごく高い場所を走る線路で、昔の写真ではDF50などが写っていたと思う。
 それで私も多少は成長し、鉄道地図を眺めるようになった頃に、余部駅の文字をその地図上に見つけ、

「へえ、神戸から意外と近いところにあるんだ」

 などと思ったことはないし、また、

「では見てこよう」

 と切符を買って、姫路行きの電車に乗ったことなどもない。
 姫路で乗り換えて姫新線、2つ目の駅で降りてみて、海に面しているどころか、線路が山上を走っているわけでも、巨大な鉄橋がそびえているわけでもないと気付いて、目をパチクリさせたことなどは、私は断じてないのであります。

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