リレーラー
文字数 526文字
鉄道模型で用いるリレーラーという道具は、もちろん私が子供だった頃から存在していた。
現在売られているリレーラーはプラ製だけれど、当時の製品は金属製で、金属板を折り曲げたり塗装したりと、色々と手がかかっていた。
現代のように、何でもかんでもプラ製で済ますという時代ではなかったので。
リレーラーの用途はその名の通り、鉄道模型の車両をレールの上に乗せる時に用いる。
モハ103とかならともかく、例えばC62をレールに乗せるのは相当に大変だとは想像がつくと思う。
特に慣れていない人の手であれば。
実物鉄道の世界では、derail(脱線)した車両を再び線路に乗せることが rerail だから(re-は再びという意味)、鉄道模型とは少し意味が違う。
鉄道模型では、箱から出してきた車両をレールに乗せる時にまずリレーラーのお世話になる。大人はまずそうだった。
正直に言って子供時代、私はリレーラーを使う大人たちを馬鹿にしていた。
「機関車を線路に乗せるなど簡単なことなのに、道具の助けを借りるなんて」
いえいえ、ご安心ください。その報いは、いま私自身が一番受けております。
視力の低下とは恐ろしいもので、リレーラーめがないと、機関車が線路に乗りませんのじゃ。