識別点

文字数 855文字

 クハ111 と クハ115
 キハ82 と キハ181

 のように、よく似た車両に対して、国鉄はしばしば識別点を用意した。

 識別点とはつまり、

「よく似た車両でも、一発で区別ができるような印」

 ですな。
 多くは塗り分け線の走り方で、知ってさえいれば、遠くからでも区別がつくよね。
 クハ153とクハ165の塗分けもその例かな。
 クハ151とクハ161、クハ481の短いヒゲもそうだったね。

 細かいことを言いますが、EF65とEF60のモニターの形の違いをご存知でしょうか。   
 モニターっていうのは、直流ELが屋根上に背負っている四角いランドセルみたいなやつのこと。正式名称は知りません。

 EF60とEF65の「屋根上モニターの形の違い」
 あれも識別点として、わざわざつけられたものかしらん?

 ところでモニターとは、そもそも何のためにあるのだろう?
 モニターにはフックが取り付けてあり、クレーンで吊って、車体から取り外すことができる。
 するとELの屋根はパカッと口が開いた格好になり、車内の機器をクレーンで直接取り出せるようになる。
 確かにその方が、大規模な整備や点検がやりやすくなるに違いない。
 これは箱型DLも同じで、特にエンジンという大物を取り外せるメリットは大きい。
 凸型DLでも同じこと。
 凸型DLはモニターどころか、ボンネット全体がパカッと外せる。

 それはそうとELのモニターだけれど、あれはきっと明り取りのためでしょうよ(※)。
 もしも明かり窓を屋根上に水平に並べれば、すぐにホコリが積もって汚れ、光が入らなくなってしまうだろう。
 それを防ぐには、窓ガラスを垂直に立てる方がいいわけで。

(※)
屋根上にガイシが賑やかな交流機や交直両用機は、モニターが設置できない。
ならば機械室内は薄暗いはず。
それをおぎなうために車体側面の明かり窓を、直流機よりも大きく、数を多くしてあるのだろうね。
実を言うと私は以前から、EF65とED75でなぜ側面ルーバーと明かり窓を共通パーツにしないのか、不思議で仕方がなかった。

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