つづき

文字数 557文字


 ローカル線で列車が停車して、ひとしきり何人かがホームに下車する。
 列車は発車。
 私は車内におり、なんとなく外を見ていたのだが、全員ではないのかもしれないが、降りた人々が向かう方向がおかしい。
 改札口のある駅舎へ向かうのではなくて…。
 この線路は少し高い所を走っていて、すぐ隣に幅の広い川があり、線路はそのまま鉄橋を渡る形になっている。
 改札口など通らず、皆さんも、そのまま徒歩で鉄橋をお渡りで。
 地形の関係で、その方が近道なんだろうが。


 ローカル線の気動車化が進んでいても、朝夕の混雑する列車だけは客車列車で残るという線区も多かった。
 混雑といっても、乗客の多くは高校生でね。
 そういう朝の客車列車が、ある駅で停車したのだけど、混雑を避けて、私はデッキに立っていた。
 列車交換をするのか、停車時間の長い駅。と言っても5分か6分。
 ホームは右側で、左側には何もない。
 と、高校生の一人がドアを開け、左側デッキから下へ飛び降りるのが見えた。

「何をするんだろ?」

 と思って見ていると、彼は犬走から線路の外へ出て、見るとそこはガソリンスタンドか何かで、カップラーメンの自動販売機が置いてあるようだ。
 コインを入れてカップラーメンを買い、湯を入れて悠々と戻っても、まだ時間には余裕がある。
 朝食なんですかね?
(つづきます)
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み