ヘッドライト

文字数 701文字

 Nゲージがまだ存在しなかった時代のHOゲージでは、車両のヘッドライトには、プラスティック製のレンズなど、はまっていないことも多かった。
 手抜きというよりも、そういう様式だったのだと思うが、プラレンズじゃないからと言って、もちろんガラスのレンズが、ついていたわけではない。
 HOゲージの車両は真鍮(しんちゅう)で作られていたのだが、当然ヘッドライトも真鍮製で、そのレンズ部分もまんま真鍮で、いかにもレンズ的に丸く盛り上げてある。

 そういえば、KATO製Nゲージのキハ20も、ヘッドライトにレンズははまっていないが、そのかわりに凹面状にへこませ、ただ銀色に塗ってあるだけだったが、十分にリアルなので驚いたことがある。

「あれ、レンズがはまっているのか」

 と指先で触れてみれば、やはりへこんでいるばかり。
 それはそうとHOゲージの話。
 いにしえのHOゲージにおいては、機関車などのヘッドライトは、上記のごとくレンズ部分も真鍮のまま。
 しかもそのレンズ部分が、塗料で白く塗ってある例があったのだ。
 銀色でなくて白。
 白色ラッカーを筆で差してあるわけ。

「変わったことをするのだな」

 などと私は思っていたのだが、それがどうやら、鉄道模型独特の様式だったわけではないらしい、と思えて、驚いているところ。
 実物の車両において、ヘッドライト内部の反射鏡を、メッキするのではなく、銀色に塗るのでもなく、ただペンキで白く塗るだけという実例に最近出会ったのだ。
 私が出会った例は、今のところ銚子電鉄のデキ3だけだけれど、他にもたくさんあったのかもしれない。

(興味をお持ちの方は、グーグルで「デキ3」を画像検索なさってください)
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