50系 12系
文字数 733文字
人間とはおかしな感じ方をする。
若いころ、青春18きっぷで旅行していた時には、線区によっては事前に列車番号を調べ、MもDもない客車列車だと確認してから乗車した。
しかしどんな車両がやってくるかは、いざホームへ出るまで分かりはしない。
それでオハ50がやってくると、がっかりしてしまう。
福知山線や山陰線では、旧型客車ではなく12系がやってくることもあり、そんなときも落胆してしまう。
だけど今になって思えば、オハ50も12系も、悪いものではないね。
旧型客車とはまた違う、まるで電車のクハやサハのような走行音を思い出す。
ところでオハ50って、ブレーキシューはどっちだっけ? 鉄? レジン?
肝心なことを覚えていない…
キハならキハで、私はタラコ色というのはあまり好きではなかった。
一般色のキハは、ペンキを2色用いて塗り分けるので手間がかかり、それを省きたいというのは理解できるのだが、あるとき、一般色のキハ20だったかの車体に、指先で触れてみたことがある。
クリームと朱色の境目のところ。
この塗料は結構分厚いので、どちらを先に塗り、マスキングの後にどちらを塗り重ねたのかわかると思ってのこと。
鉄道模型を作っている者の知識として、薄い色を先に塗り、濃い色はその後に塗る。
つまり一般色ならクリームが先で、朱色はその後のはずだが、指先で触れた限り、実車はその順番が逆なので驚いた記憶がある。
模型を作り始めてまだ最初の頃、私は何も考えずに逆の順番で塗ってしまったことがある。
クリーム色は隠ぺい力がなく、下の朱が透けて困ったよ。しかし実物の塗料では、そういうことはなかったようだ。
先ほどのオハ50や12系と同じく、今の私はタラコ色さえ懐かしく感じるのに驚く。