電動貨車
文字数 684文字
名古屋鉄道や京福電鉄(福井県)の旧型車の写真を見ていて不思議に思うのは、
「車体の形はどう見たって電動貨車なのに、なぜ電気機関車に分類されてるんだろう」
と思える車両がいくつか存在すること。
デキ1000 デキ1500(名古屋鉄道)
テキ6(京福電鉄)
ボギー車だったり2軸車だったりはするが、黒く塗られた窓の少ない車体。もちろん両運転台。
しかしELと称する。
デキもテキも、電気機関車の略だろうから。
一方で豊橋鉄道では、同様の車両がデワ10として、しっかり電動貨車の名のもとに運用されていた。
「電気機関車と呼ぶか電動貨車と呼ぶか、会社によって考え方が違うのだ」
と言われれば、身もふたもないけどね。
そんなことを思いつつウィキペディアを読んで分かったことは、どうやら、
・これら電動貨車には、ある時期に空制が取り付けられた。
(それまでは空制なしで、手ブレーキと電気ブレーキのみ)
・空制を取り付けるとは要するに、空気タンクとコンプレッサーを積み込むことだけど、これら車両の小さな車体にはスペースがなく、ならばとコンプレッサーは荷物室に積むしかなかった。
・その結果、もう荷物室に荷物は積めず、電動貨車としては運用できないのであれば、電気機関車と名乗るほかなくなる。
ということのようで。
(豊橋鉄道のデワ10は、最後まで空制なしでした)
名鉄にはデキ100といって、車体に荷物室のある凸型電気機関車が存在したから、元々から電気機関車と電動貨車の間の垣根は低かったのかもしれない。
私鉄からの買収機だけれど、国鉄にもED27という荷物室付きのELが存在したことがあるそうな。