C60
文字数 606文字
人間、ひょんなことから自分の思い込み、思い違いに気が付くことがある。
鉄道模型の話だけれど、東京の神田に、カワイモデルという老舗メーカーがありまして、16番(HO)模型を製造しているのだが、このメーカーがC59とC60を発売していることは、雑誌広告などで中学の頃からよく知っていた。
C59とC60は姉妹機だから、メーカーとしてはまずC59を発売し、その後のバリエーション展開としてC60を出したのだ、と私は勝手に思い込んでいたのですな。
ところがあるとき気が付いた。
こういうことなんですよ。
どちらが先かまでは調べきれなかったが、カワイモデル製C59/60の発売は昭和37年なんだそうで、昭和37年といえば、山陽線の電化はまだ完成していない。
つまりこの時点で、関東在住の鉄道ファンにとってC59とは、なんと広島県の三原まで行かないと拝むことができない機関車だったのだ。
(三原まではすでに電化されていた)
だとしたら模型メーカーとしても、C59の発売にはあまり意欲がわかないかもしれない。
だって、お客さんの誰ひとりとして実物を見てないかもしれないんだもん。
ところがC60は違う。
見るも見ないも、上野に行けばいる機関車なんだから。
ならば模型メーカーとしても、やる気が出ようよ。
つまり結論としてですな、
「C60を発売し、そのおまけとしてC59も出した」
というのが正解ではないかと愚考いたします。