キハ

文字数 932文字

 国鉄は、なぜかときどきトイレなしのキハを作った。

「列車におけるトイレ設置数の見直し」を本格的にやったのはキハ47を製造する頃だったか、それ以前から「トイレなしキハ」は存在したわけですな。

 思いつくままに

キハ10、16
キハ30、36
キハ65

 それ以外のキハ20系、23系、55系、58系はすべてトイレ付き。

 キハ10やキハ30などは、よっぽどの短距離でないと単行運用できない気がするが、考えてみれば機械式キハはみなトイレなしだったわけで(少数の例外あり)、今さら騒ぐほどのことではなかったのかもしれない。

 キハ65は58系と連結されるわけで、58系がみなトイレ付なのであれば、問題なしと見たのだろう。

 これら国鉄型キハは、みなガチャンと変速レバーを切り替えながら走っていた(キハ65は違うかも)。

 しかしオートマティックの自動車のように、レバーを一度動かせば、
「後はずっとほったらかし」
 というわけにはいかなかった。

 まずレバーを「変」に入れて発進し、40キロか50キロまでスピードが乗ったところで、「直」に切り替える。
 国鉄キハの運転台には、

「変」:変速

「中」:中立(ニュートラル)

「直」:直結(トルコンを経由せず、エンジンと車輪が直接つながる)

 の3つのレバー位置があったわけ。

 駅を発車時、ドアを閉めてエンジン全開、「変」で起動するときにはそうでもないが、いざ「直」に切り替えてからの加速は、かなりまどろっこしかった。

 電車と比べることなどとてもできず、それでも蒸気機関車よりは速かったのである。

 加速度以外にキハにも弱点がなくはなかったらしく、「たじま」とかの、大阪始発で姫路で進行方向が変わる列車。
 
 これが姫路駅ホームで進行方向を変える時(播但線へ入る)、運転士は逆転レバーを操作するのだが、逆転機はエンジン1個に1個ついている。

 これが傘歯車を用いた装置で、圧縮空気でガシャーンと逆転する仕掛けなのだが、たまにギヤの山と山がぶつかり、うまくはまらないことがあったらしい。

「たじま」の場合、キハ28とキロはともかく、キハ58は逆転機も2個持つわけで、編成中のすべての逆転機を せーので一斉に逆転しきるのは難しいのだと運転士さんから聞いたことがある。
  
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