ブレーキ
文字数 590文字
旧型車と新型車の両方を日常的に運転しなくてはならない運転士は、きっと大変だと思う。
旧型車と新型車の両方を持つ鉄道は、最近は少なくなったけれど(ゼロではない)、何年か前までは多かったはず。
なぜ大変かって、ブレーキハンドルの扱いがまったく違うから。
ツリカケ車の場合には、空気ブレーキをかけるとは、
ブレーキハンドルを右に回す
↓
シューッと音がして、空気タンクからブレーキシリンダへ空気が流れ込み始める。
↓
シリンダ内圧力に応じて、空気圧力計の針が上昇を始める。
↓
圧力が高いほどブレーキが強くかかるということだから、望みの数値(例えば4気圧)を針がさす直前に、ブレーキハンドルを中央に戻す。
↓
圧力の上昇が止まる。
↓
もしも4気圧を過ぎてしまったなら、ブレーキハンドルを少し左に回して、シリンダ圧力を逃がしてやり、4気圧に落とす。
↓
適正なブレーキ力を得て、列車が停車する。
これが新性能電車の場合には、
同じように4気圧のブレーキ力が得たいとして、ブレーキハンドルを右に(4気圧のところまで)回す。
↓
シューッと音がして、空気タンクからブレーキシリンダへ空気が入り始める。
↓
シリンダ内圧力は上昇するが、4気圧になったところで、『自動的』に空気の供給がストップする(運転士は何もしない)
↓
適正なブレーキ力を得て、列車が停車する。
これだけ操作方法が違うのに、よく頭がこんがらがらないものだと思う。