オハ50

文字数 461文字

 12系客車と50系客車なんて、誰も比べはしないが、それを無理やり比べてみようというのである。

 どちらも客車である。

 どちらもハザである。

 どちらも自動ドア付き。

 しかしながら、電源エンジンは12系にしかない。

 ドアを自動で開け閉めするには、圧縮空気が必要だが、12系はこれを自前のエンジンの力で作っている。
もう全く可愛げがないほど手のかからない客車であり、貨物用の機関車でもけん引できるほどだ。

 一方の50系はというと、エンジンもコンプレッサーも持たないから、ドア用圧縮空気は、機関車からもらうしかない。

 重連装備の付いた機関車であれば、大概そういう空気パイプを備えているので問題はない。

 EF58といえば、旅客用機関車の代表みたいな機関車である。
 しかしながらEF58は重連仕様ではないので…

 それゆえ私は、次のように大声で述べる。

「EF58は、営業列車でオハ50をけん引したことは一度もない」

 はずである。


(2022年11月追記)
一部のEF58は元空気ダメの引きとおし管を装備していた、ということを最近知りました。
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