ワム
文字数 517文字
中央西線にまだ80系電車が走っていた頃、またまた大学受験のため名古屋へ行った。
前日から名古屋入りし、受験も無事に済んだ当日、やれ帰ろうかと名古屋駅へやって来たのだが、まだまだ時間が早い気がして、新幹線ホームではなく、在来線ホームを見物に出かけた。
もちろんきしめんも食べる。
そして気が付いたのだ。なんだか知らないが、すみっこのホームの端に2両のワムがいるのだ。
真っ黒に塗られたワム90000で、
「こんなところで何をしているんだ?」
という感じ。本当にワムだけで、機関車も車掌車も連結していない。
そばへ行ってみると、事情が少しわかった。ドアを開いて、積み込みをしていたのだ。
積まれていたのは、何十個かのドラム缶。蓋がされていないので、中身がゴミだと分かった。紙くずとか駅弁とかで、この駅で発生したゴミだと思われた。
決まった時間が来るとロコがやって来て、この2両を連結してゆくのだろうが、何か事情があったに違いないが、それらのゴミを何ゆえに、どこへ搬出していたのか、私はいまだに知らない。
数年たって、もう一度名古屋駅へ行く機会があったが、その時にも2両のワムはいた。
ただ時代の流れなのか、ワム80000に変わっていたが。