自動連結器
文字数 371文字
子供の頃に読んだ鉄道の本に、
「自動連結器を発明した人は、自分の右手を見ていてその構造を思いついた…」
といったことが書かれていた。
ほほう、さようか。
そういえば私も、手を組み合わせて連結器ごっこをして遊んだ記憶がある。
それで気が付いたことがある。自分の右手を見ていて思いついたのだから、恐らくペンを片手に、紙の上にラフな構造図などを書き、発明者は思考を進めていったのであろう。
であるから…
ここに私は、高らかに宣言し、新たな仮説を披露するものである。
「おそらく、自動連結器の発明者は左利きの人物であった」
そうでござろう? もしも右利きの人物が右手にペンを持ち、自分の左手をモデルに自動連結器をデザインしたのであれば、世の自動連結器はすべて、
「左手と同じ形」
になっていなければならない。
だが実際の自動連結器は、右手と同じ形でしょ?