自動連結器

文字数 371文字


 子供の頃に読んだ鉄道の本に、
「自動連結器を発明した人は、自分の右手を見ていてその構造を思いついた…」
 といったことが書かれていた。
 ほほう、さようか。
 そういえば私も、手を組み合わせて連結器ごっこをして遊んだ記憶がある。

 それで気が付いたことがある。自分の右手を見ていて思いついたのだから、恐らくペンを片手に、紙の上にラフな構造図などを書き、発明者は思考を進めていったのであろう。
 であるから…

 ここに私は、高らかに宣言し、新たな仮説を披露するものである。

「おそらく、自動連結器の発明者は左利きの人物であった」

 そうでござろう? もしも右利きの人物が右手にペンを持ち、自分の左手をモデルに自動連結器をデザインしたのであれば、世の自動連結器はすべて、

「左手と同じ形」

 になっていなければならない。
 だが実際の自動連結器は、右手と同じ形でしょ?

ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み