C54

文字数 573文字


 梅小路へ行こうが、大宮の鉄道博物館へ行こうが、C54は見ることができない。
 国鉄の制式機の一つではあるけれど、一台も保存されていないのだから。

 そもそも製造数が少なかった。
 昭和6年度分の17両だけだもの。

 保存されていない制式機といえば、6760というのもあるけれど、こいつはあまり話題にならないね。

 他に数の少ない機関車として、4110やC10があるけれど、これらは保存されているどころか、C10はまだ走っている。

 C54は、なぜ初年度だけで製造を止められてしまったのか。
 もともとC51の改良型であり、ボイラー圧力を上昇させた設計になっている。

 すると当然、けん引力が増すが、一方で改良の結果、車重も軽くなっている。
 軽くなってけん引力が増していれば、スリップが多くなるのは当然か。

 当時の技術者たちが、これに思い至らなかったのか、思い至っても、種々計算の結果、「行ける」と踏んでゴーサインを出したのか、私には分からない。

 同じような例として、貨物用ディーゼルカーのキワ90をあげてもいいかもしれない。

 キワ90は軽すぎて、スリップして貨車のけん引ができず、まともにけん引するには、自車に貨物を積んで重くしておかなくてはならなかった。

 しかし、機関車として使われている車両を、わざわざ貨物ホームへ入れる運用を組むのは、面倒であったろうよ。
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