到着

文字数 598文字

 再びABC駅シリーズ。
 山陽線の3つの駅で、列車は右から左へ向って走ると思って下せえ。

「大駅C」 ← 「小駅B」 ← 「小駅A」

 登場するのは私の父で、「小駅A」から乗車し、今回も「大駅C」で乗り換えるが、前回の何年か後のことだから、しおじではなく山陽新幹線である。
 それに乗って兵庫県へ帰ってくるのだが、乗り換えダイヤが少しタイトであった。
 普通列車は今回もモハ80系だったかどうか。すでに153あたりに変わっていたかもしれないが、115がやってくるのはもう少し後の時代のような気もする。

「小駅A」を発車直後、父は車掌さんに相談したそうな。
「この普通電車に乗って、大駅Cで新幹線にスムーズに乗り換えができますか?」

 するとその答えは、
「ギリギリすぎて無理でしょう」

「大駅C」に停車する新幹線は少ない。1時間に1本の感じか。
 おそらくここで父は、「大駅C」でいったん下車して、その次の新幹線まで時間をつぶす腹を決めたことであろう。
 普通列車は走り続け、中間の「小駅B」で停車し、時間通りに発車した。ところがそこで、さっきの車掌さんが父のところへ戻って来た。
 そして言うことにゃ、
「いま運転士に指示を出して、大駅Cまでかっ飛ばすように言っておきましたから、1分か2分早着するでしょう。だから、到着したら新幹線ホームへ急いでください」
 とのこと。
 父は新幹線に、ちゃんと間に合って乗車できたそうだ。

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