EF17
文字数 2,249文字
軸重というのは、完全にではなくても、各軸なるべく均等にするものだろうけど、たとえばEF65なら(自重96トン)、それを6で割って、各軸が16トンずつを負担する。
それで、ここから先はEF63の話になりますが。
中学の頃のことなので、数字はうろ覚えだが、EF63はその軸重が不均一なので驚いた記憶がある。
台車ごとに軸重が異なっている。
いま数字は適当に言っているのだが、台車Aは17トンだが、台車Bは各軸18トン、台車Cは19トンであるというような。
想像だが、碓氷峠での実際の運用時には、軽井沢側から19トン、18トン、17トンとなるような向きに入線すれば、67パーミルのおかげで横川側の台車に重量が片寄って重くなり、結果として全ての軸重が均一になるのかもしれない。
それでも問題は残る。
事前に軌道を強化しておけばいい碓氷峠区間はともかく、製造メーカーから横川機関区までは、どうやって回送したのだろうということ(本線でも、軸重は16トン制限があるので)。
だから、いつもの有名サイトさんで少し資料を読んでみたのだけれど、
(分かったことその1)
バッテリーは取り外すことができる。
EF63のボディー側面に開いているあのでかいドアは、やはりバッテリー交換のためだそうだ。
そりゃそうだ。峠の上り下りをしている最中に停電してしまうことも考えられるわけで、そんな場合には誰が電磁吸着ブレーキを駆動するのさ。
そんなにでかいバッテリーを取り外せば、回送時、いくらか車体も軽くなろうよ。
(分かったことその2)
軸重の不均一というのは、どうやら台ワク下に重りをつるすかどうかして、わざとそうしてあるようだ。
この重りは取り外し式らしく、ならば回送時には外しておけば車体は軽くなりそうだ。
(おまけ)
資料を見ていると一覧表があり、そこで気づくことがある。
EF62とEF63のスペックには共通点が多い。いや、共通点が多すぎるのだ。
機関車としての1時間定格出力、引張力、速度。
使用しているモーター(MT52)も共通だから、モーター1個あたりの1時間定格出力、電圧、電流、回転数、最高回転数の数字も当然全く同じである。
「あれれ」
と私は気が付いた。
「重連運転を前提にしているから、EF62とEF63には共通点が多い」
のではなく、
「EF62とEF63は、実質的には同じロコなのかもしれない」
具体的な数字は知らないが、EF63も碓氷峠では高速運転をしていたわけではなかろう。時速50キロか60キロか、年がら年中ノロノロ運転だったはず。
だったら、そんなノロノロ運転専用の補機に、なぜ最高速度が85キロを超えるような性能を与える必要があったのか。
(EF〇〇の〇〇が50以上の数字であるなら、それは最高速度85キロ以上という意味であるから)
想像だが、その理由はこう考えると分かりやすいかも。
EF63ではなく、もっと低速のロコを製造して横川に配置する手もあったろうが、
「協調運転をするのであれば、異形式よりも、同形式同士の方が息がぴったり合うのは当たり前ではないか」
C62とD51を重連をさせるのと、C62同志で重連するのと、どっちが息がよく合うかということ。
だから協調性を重視して、EF63にはEF62と同等の高速性能を与え、しかしあえてノロノロとしか走らせなかったのだろう。
一方で、最近のEF210が一般用とセノハチ用で共通化を図っているのと同じように、信越線を通し運転する用のEF62と、碓井専用の補機としてのEF62´を共通にしてしまうこともできたはず。
だがそれだとコスト面の問題が生じる。
21世紀の現在と、昭和30年代は事情が異なる。
横川に配置する補機専用のEF62´に電暖をつけるのが無駄に思えたのだろう。
EF62の設計の手本になったのは、言うまでもなくEF60であり、EF60に電暖を乗せ、電気ブレーキを取り付けたのがEF62なわけで、だけどそれだと重量が過大になるから、やむを得ず台車を3個から2個に減らして軽量化を図った。
3軸台車が線路に与える悪影響は大目に見るしかなかったのだろう。
だが補機専用のEF62´をもし作るのだとすれば、電暖は不要になるわけで、ならば、
「台車は3個に戻したいよ」
となりそうだ(→これがEF63でしょ?)。
話が戻るが、本来はEF62と同じ高速性能を持っているEF63を低速運転にのみ用いるのは、オーバースペックにすぎるという面もあるわけで、もしかしたら国鉄も、「碓氷峠専用の低速補機」というものを検討はしたかもしれない。
もしもそんなものができていたら、番号は
「EF17」
になったのかな?
と、ここまで書いてきて意味が分かったように思うのは、EF63に関して前々から感じていた疑問点。
「なぜEF63だけが突然、それまでHゴムばかりだった前面窓がアルミサッシに変わったのか」
もしも私の想像が正しいのならば、
・電暖用MGの有無
・車軸配置
・軸重
が異なるだけで、EF62とEF63は実質的に同じ機関車なのだから、
「せめて外観だけは違いを演出しようとした」
のかもしれないよ。つまりEF63の外観デザインコンセプトは、
「異形式っぽく見せるため、できるだけEF62に似せない」
だったのかもしれない。
(※)
書き終わった後で気が付いたのだけど、EF63の前面アルミサッシは、平面ガラスを用いることによるコストダウンという意味もあったのかもしれないよ。
それで、ここから先はEF63の話になりますが。
中学の頃のことなので、数字はうろ覚えだが、EF63はその軸重が不均一なので驚いた記憶がある。
台車ごとに軸重が異なっている。
いま数字は適当に言っているのだが、台車Aは17トンだが、台車Bは各軸18トン、台車Cは19トンであるというような。
想像だが、碓氷峠での実際の運用時には、軽井沢側から19トン、18トン、17トンとなるような向きに入線すれば、67パーミルのおかげで横川側の台車に重量が片寄って重くなり、結果として全ての軸重が均一になるのかもしれない。
それでも問題は残る。
事前に軌道を強化しておけばいい碓氷峠区間はともかく、製造メーカーから横川機関区までは、どうやって回送したのだろうということ(本線でも、軸重は16トン制限があるので)。
だから、いつもの有名サイトさんで少し資料を読んでみたのだけれど、
(分かったことその1)
バッテリーは取り外すことができる。
EF63のボディー側面に開いているあのでかいドアは、やはりバッテリー交換のためだそうだ。
そりゃそうだ。峠の上り下りをしている最中に停電してしまうことも考えられるわけで、そんな場合には誰が電磁吸着ブレーキを駆動するのさ。
そんなにでかいバッテリーを取り外せば、回送時、いくらか車体も軽くなろうよ。
(分かったことその2)
軸重の不均一というのは、どうやら台ワク下に重りをつるすかどうかして、わざとそうしてあるようだ。
この重りは取り外し式らしく、ならば回送時には外しておけば車体は軽くなりそうだ。
(おまけ)
資料を見ていると一覧表があり、そこで気づくことがある。
EF62とEF63のスペックには共通点が多い。いや、共通点が多すぎるのだ。
機関車としての1時間定格出力、引張力、速度。
使用しているモーター(MT52)も共通だから、モーター1個あたりの1時間定格出力、電圧、電流、回転数、最高回転数の数字も当然全く同じである。
「あれれ」
と私は気が付いた。
「重連運転を前提にしているから、EF62とEF63には共通点が多い」
のではなく、
「EF62とEF63は、実質的には同じロコなのかもしれない」
具体的な数字は知らないが、EF63も碓氷峠では高速運転をしていたわけではなかろう。時速50キロか60キロか、年がら年中ノロノロ運転だったはず。
だったら、そんなノロノロ運転専用の補機に、なぜ最高速度が85キロを超えるような性能を与える必要があったのか。
(EF〇〇の〇〇が50以上の数字であるなら、それは最高速度85キロ以上という意味であるから)
想像だが、その理由はこう考えると分かりやすいかも。
EF63ではなく、もっと低速のロコを製造して横川に配置する手もあったろうが、
「協調運転をするのであれば、異形式よりも、同形式同士の方が息がぴったり合うのは当たり前ではないか」
C62とD51を重連をさせるのと、C62同志で重連するのと、どっちが息がよく合うかということ。
だから協調性を重視して、EF63にはEF62と同等の高速性能を与え、しかしあえてノロノロとしか走らせなかったのだろう。
一方で、最近のEF210が一般用とセノハチ用で共通化を図っているのと同じように、信越線を通し運転する用のEF62と、碓井専用の補機としてのEF62´を共通にしてしまうこともできたはず。
だがそれだとコスト面の問題が生じる。
21世紀の現在と、昭和30年代は事情が異なる。
横川に配置する補機専用のEF62´に電暖をつけるのが無駄に思えたのだろう。
EF62の設計の手本になったのは、言うまでもなくEF60であり、EF60に電暖を乗せ、電気ブレーキを取り付けたのがEF62なわけで、だけどそれだと重量が過大になるから、やむを得ず台車を3個から2個に減らして軽量化を図った。
3軸台車が線路に与える悪影響は大目に見るしかなかったのだろう。
だが補機専用のEF62´をもし作るのだとすれば、電暖は不要になるわけで、ならば、
「台車は3個に戻したいよ」
となりそうだ(→これがEF63でしょ?)。
話が戻るが、本来はEF62と同じ高速性能を持っているEF63を低速運転にのみ用いるのは、オーバースペックにすぎるという面もあるわけで、もしかしたら国鉄も、「碓氷峠専用の低速補機」というものを検討はしたかもしれない。
もしもそんなものができていたら、番号は
「EF17」
になったのかな?
と、ここまで書いてきて意味が分かったように思うのは、EF63に関して前々から感じていた疑問点。
「なぜEF63だけが突然、それまでHゴムばかりだった前面窓がアルミサッシに変わったのか」
もしも私の想像が正しいのならば、
・電暖用MGの有無
・車軸配置
・軸重
が異なるだけで、EF62とEF63は実質的に同じ機関車なのだから、
「せめて外観だけは違いを演出しようとした」
のかもしれないよ。つまりEF63の外観デザインコンセプトは、
「異形式っぽく見せるため、できるだけEF62に似せない」
だったのかもしれない。
(※)
書き終わった後で気が付いたのだけど、EF63の前面アルミサッシは、平面ガラスを用いることによるコストダウンという意味もあったのかもしれないよ。