ツリカケ

文字数 436文字

 駅のホームにいて、背後からツリカケ車の音が聞こえると思って振り返ったら、カーブした駅なので減速していたEF210が、再加速を始めるところだった。
 そうなんですよ。
 最新のELも、モーターの取り付け方式は昔ながらのツリカケ式になっている。
 思い返してみれば、甲武鉄道の電車の頃からじゃないかしらん。
(明治39年、国鉄は甲武鉄道を買収し、これが国鉄電車の第1号になった。碓氷峠のEC40が国鉄の電気車両の第1号だが、こやつはロッド式で、ツリカケではないので)

 誰が何と言っても、国鉄は長くツリカケ式を愛用してきた。
 それも昭和30年代にクイル式になりかけたが、クイルには欠点があって、一度はクイル式で製造されたELたちも後に改造工事をして、別の方式に変わった経緯がある。
(EF60 EF61 ED60 ED61 ED71)

 大きなトルクに対応できないからなのか、電車では全盛を誇るカルダン式も、ELには用いない。
 それゆえ今日もEF210は、ツリカケサウンドを響かせるーっ。
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