SG

文字数 837文字

 EF57の実物は見たことがない。東北線の車だからね。
 ないといえばEF56も見たことがないが、改造後のEF59なら見ているから、見たことがあることにしておこう。
 しかもEF5924は、EF56後期型からの改造で、これとEF571は見分けがつかないほどそっくりであるから、間接的にEF57を見たことになるんではないかと思っていたりする。

 EF53を改良してEF56を設計するとき、国鉄のエンジニアたちは大いに悩んだかもしれない。
 改良点としては、

(1)出力の増強

(2)SG(蒸気発生装置)の取り付け

 となりますが、(1)はまあよろしい。
 問題は(2)で、恐らくSGを置くべき位置は、運転室のすぐ後ろであろう。
 なんせSGとは大量の水をかかえる機械だから、高電圧機器のそばには置きたくない。少しでも距離を取りたい。
 なので自然に、位置は運転台のすぐ背後となる。

 ところがSGを置くと、その真上の屋根上に煙突を持ってこなくてはならない。
 重油を燃やして蒸気を作るのだから、その排気が必要になる。
 ところが運転台直後の屋根上といえば、パンタの定位置ではないか。
 すると、煙突とパンタが干渉してしまう。
 そこで悩んだ末、私の想像だがエンジニアたちはやむなく、パンタを車体中央に寄せることにした。

  ◇◇
[ 車体 ]
 ↑
 SGはここ


 へそ曲がりな私なぞは、そうせずとも、

  ◇ ◇
[ 車体 ]
 ↑
 SGはここ

 と、こんなやり方があるじゃないか、と思ったりするが、やはりシンメトリを崩すことに抵抗があったのかもしれないね。
 ついでながら、次に作られたEF57ではこうなった。

◇    ◇
[ 車体 ]
 ↑
 SGはここ

 しかし戦後になって、前後非対称なDLが多数登場して、シンメトリ崩しにも目が慣れてきたのか、
(DF50 DD54 DE10)

 ついには EF64-1000 が出現してしまう…

(それはそうと、パンタのシンメトリを崩した車両というのは、本当にいまだに登場していないのかな?)
 
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み