湘南顔

文字数 714文字

 まず、ここにEF58を1台持ってきます。
 色は、茶でも青でも緑でもよろしい。ただし車体は、柔らかいゴムでできていないといけません。

 EF58の顔が、クハ86のそっくりさんであることに異議を唱える人はいないだろう。

 どこかで読んだ文章に、昭和20年代の湘南顔ブームというのは恐ろしい勢いのもので、国鉄だけでなく私鉄の車両も、また、電車だけでなく気動車までが湘南顔になった。

 そしてついにEF58が登場して、
「とうとう電気機関車まで湘南顔かよ」とつぶやいた人がいたとか、いなかったとか。

 EF58なんて、クハ86の金太郎塗りカーブまで、銀帯で踏襲しているもんね。

 さて、そのEF58のとんがったお顔でやんすが、これを一発、真正面からぶん殴ります。

 そうやってクモハ73みたいに平面顔にしてやってもいいのだが、その手前でこらえて、ほんのわずかに鼻が出ている程度にします。 

 その次に、EF58の正面窓に指を突っ込みます。そして横に広げ、窓を大きく伸ばし、縦の一辺が車体側面にまで回り込むようにするのです。
 これでパノラミック窓になりましたね。

 ヘッドライトの位置は変えません。金太郎みたいな飾り帯はたたきのばして、まっすぐにしてやりましょう。
 
 このお顔をよく眺めてみましょう。何かに似ておりませんか?
 いえいえ、似ているというよりも、もうEF60そのものですね。ナンバーの位置まで同じです。
 つまりEF60は、EF58のパノラミック・バージョンだったわけです。

 これを赤く塗ればEF70ですが、今は置いといて、ヘッドライトを2個にしてみましょう。
 おや不思議、EF65ができてしまいました。

 つまりね、EF65は湘南型なんですよ。
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