新幹線の窓
文字数 804文字
いつものことだけれど、突然変なことを思いついた。
「新幹線の車体には、窓はまったく必要ないのではないか」
もしも新幹線の客室に窓がなければ、どういうメリットがあるか、ということなのである。
・製造時の工作が簡単になる。
本来なら窓のあるべき場所が、つるりとした、ただの金属壁になるんだから。
・軽量化
ガラスって、意外と重いのだそうだ。
・車体の強化
大きい窓よりも小さな窓の方が、車体強度確保には都合がいい。
キハ35が吊り扉になったのは、当時の技術では、ステップをつけつつ、車体に大きな開口部を作ることができなかったため。
ドアとは、外から見えているドア部分だけが開口しているのではなく、戸袋の部分も含めて、車体開口部とみなされる。
だから開口部を少しでも小さくするために、戸袋を作るのを避けたのがキハ35。
荷物車のドアが奥に引っ込んでいるのも同じ理由。
ならば、窓が小さいことよりも、窓が存在しないことの方が、車体強度の確保には、さらに都合がいいはず。
・車体側面に比べ、たとえ窓ガラスといっても、多少はデコボコと出入りがあるだろう。
窓ガラスがなければ、このデコボコも存在せず、空気抵抗上、都合がいい。
おうおう、いいことばかりじゃないか。
デメリットとして、
・乗客に車外の風景が見えない。
・緊急時の脱出に問題はないか。
ぐらいがありそうだが、緊急時の脱出専用窓を少数、設置しておくことは難しくはないだろう。
窓ガラスの代わりに、車内には薄型ディスプレーを並べ、車外カメラで撮った映像を流せば、景色は一応見れる。
「そんなのは味気ない」って?
いやいや、眠れぬ夜行列車の退屈しのぎに、昼間の景色を流すことだってできますぜ。
もっと言えば、
「本日はあいにく雲がかかって視界が悪くなっておりますが、特別サービスといたしまして、快晴時の最も美しい富士山の姿をお見せいたします」
と東海道新幹線でやれば拍手喝さい。とはいきませんかね?