キハ色

文字数 741文字

 国鉄末期、キハ17とかキハ20とかの一般型気動車がタラコ色に塗られていたことは、皆さんご存知であろう。
 そしてタラコ色の前の時代には一般色と称して、朱色とクリームの2色塗りだったこともおなじみであろう。
 しかしその一般色になるよりも前、青と灰色に塗られていた時代の目撃者は、今ではもう数少ないかもしれない。私も見たことはない。
 例えばキハ17なら、製造当時は青と灰色の塗装で、そののちに一般色に塗り替えられ、その後さらにタラコ色に塗り替えられて人生を終えたということになる。
 青と灰色から一般色への塗装変更は、1959年(昭和34年)のことで、時代はキハ20系の増備真っただ中であった。
 だからキハ20系は、青と灰色で落成した車両と、始めから一般色塗装で作られた連中の二つに分けられる。
 キハ35やキハ23といった系列は、もちろんこれよりも後にやって来た。
 ありがたいことに、ウィキペディアのキハ20系の項目には、この境目のリストが乗っているので引用すると、

キハ20 268 -
キハ22 35 -
キハ25 233 -
キハ52 15 -
キハユニ25 7
キハユニ26 9 -

 以降が、青と灰色塗装を経験したことがないのだそうな。
 だから例えば、あなたの友人がキハユニ26の模型を製作し、 それに10号機とレタリングを施し、かつ青と灰色に塗装したとすれば、あなたには、彼をじっとりと横目でにらむ権利が発生するわけである。
 この表から分かることだが、キハ22の34号機までは「青・灰」だった時期があるわけで、積雪時の視認性はどうだったのだろうと心配になる。
 それに「青・灰」って結構な寒色系だから、冬季などは目に寒々しくはなかったのだろうか。
 いえ、真夏のタラコは暑苦しかったですけどね。
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