機械式キハ

文字数 701文字


「キハ20のような両運車の場合、前と後ろのどちらの運転台を使用するのかを決めるスイッチが車内に存在する、という話であったが、液体式ではなく、キハ41000のような機械式キハの場合はどうするのか。切り替えるといっても、機械式キハのアクセルは電気仕掛けのマスコンではなく、ただのケーブル(針金)であろう?」

 というご質問などいただいてはいないが、自主的にお答えしよう。
 たしかにケーブル式の場合には、要はアクセルレバーについているケーブルが床下のエンジンにまで伸び、スロットルを直接引っ張っているのだから、

「スイッチをつけて前後の運転台を切り替える」

 ことはできそうにない。
 だけど機械式キハの運転台を眺めると、様々なものが目につく。

・アクセルレバー(ペダルの場合もあり)
・クラッチペダル
・ブレーキ弁
・逆転機へとつながる空気弁
・シフトレバー

 この最後のシフトレバーというやつが実は曲者で、キハの場合には床から直接生えていて、しかも運転士の手まで届かなくてはならないので、これが長い長い。
 振り回せば武器にもなりそうな鉄の棒。
 昔のバスのシフトレバーもこのように長いものだったけれど、キハは少し違う。
 このレバー、根元で取り外し式になっている。根元が四角いソケットのようになっていてね。
 だから今、このキハがある方向を向いて走っているとすれば、後部の運転台にはもちろん…。

 シフトレバーは突き刺さっていない。

 シフトレバーは、キハ1両につき1本しか用意されていないようだ。シフトレバーがなければ、いくら運転席に座っても走らせようがない。
 つまり…

「機械式キハにおいては、シフトレバーの突き刺さっている側が前」

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