ペーパーキット

文字数 598文字

 その昔、HOゲージ(16番)車両にはペーパーキットというものがあって、1000円内外で買うことができた。
 メーカーも3社ぐらい存在し、ちょうど筆箱ぐらいのサイズの薄っぺらい紙箱に入って売られていた。
 車種は相当にたくさんあり、国鉄型で思いつくものであれば、ほとんどを網羅していたと思う。
 ただし新幹線とか、クハ151のような派手な流線型のものはない。
 箱の中身はというと、木材とボール紙で、床板と屋根板は木、側面と妻板は紙。でも窓はすべて切り抜かれている。
 この紙の側板にドアと窓枠を内側から張り付け、雨どいと、(必要なら)シル・ヘッダーは、ボール紙を帯状に細長く切ったものを張る。
 床下機器と台車、動力は別売りだが、ベンチレーターは一式入っている。
 こんな方式で客車や中間車はともかく、クハ111などはどうするのかというと、ご心配なく。
 立体的で複雑な前面は、真鍮板をプレスして作ったパーツが同梱されているのだ。
 ただ、絶対にプレスパーツかというとそうとは限らず、私は一度、紙を積み重ねるだけで構成するクモハ52を作ったことがある。
 ぺーパーキットの良いところは、メーカーにもよるが、とにかく車両の種類が豊富なこと。私鉄の電車もあったしね。
 肝心の出来具合はというと、私が組んだものはガタガタだったが、本当に上手な人が組んだ場合には、
「これが紙製だとは信じられない…」
 ほど素晴らしいのです。

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