DD13
文字数 1,508文字
体重計に乗せた場合、DD13という機関車は必ずしも優等生なわけではない。
55トンを4で割って、1軸あたり13・75トンもあり、これでは入線できないローカル線も多い。
軸重12トンのDLといえば、DD16の出現まで待つしかないが、その頃にはすでに多くの支線が貨物輸送をやめつつあった。
ええっと、関西ではDD16の入線したところは一つもないと思うよ。
DD13に重いラッセルヘッドを取り付けたのがDD15だけど、ただでさえ重いDD13にそんなものを取り付けたら、どういうことになるか。
だからDD15の車体は、DD13に比べて軽量化がされている。台枠を薄く作ったのだそうな。
だから真横から見た時に、ランボード下に白くペンキを塗られた部分の幅が、
『DD15は、DD13よりも狭い』
とのことで、形式図を見ていると確かにそんな気がしてくる。だけど、
「あれれ?」
と思うのは、DD15を軽量化できるのであれば、始めからDD13もそうやって軽量に作っておけば、運用の幅も広がっただろうにということだけど、後知恵なのかな。
(といっても、両車の重量差はたかだか2・5トンに過ぎないけれど)
形式図を見ていて気が付いたことだけれど、
「DD13のエンジンというやつは、えらく薄っぺらいじゃないか」
本当にその通りで、ロコを真上から見た場合にエンジン幅が非常に狭く、まるで子供が大人のクツをはいた時のように、ボンネット内には空間がたくさんあるのだけれど、その理由は分かる気がする。
DD13のエンジンは、元はキハ用だったエンジンをそのまま使ったものだから。
そもそもキハの床下に押し込んであった横置きシリンダエンジンで、横置きゆえに潤滑系の不具合が多発したらしく、武豊線で試用はしたものの、戦争が始まったこともあって、そのまま開発は中断。
そんなことだから、もともと幅の狭いエンジンではある。
「じゃあ、DD13のあのボンネット幅は何のため?」
たしかウィキペディアだったかで、DD13を新設計するにあたって、
『ボンネットはできるだけ小さくして、機関士の視界を妨げないように…』
とあったと思うのだけれどね。
だからエンジン幅に合わせて、なぜもっとボンネットを薄くしなかったのかという気がするが、
『整備のしやすさを追求して、ボンネット内のレイアウトに余裕を持たせた』
ということかもしれない。
そういえば某私鉄の車庫を見学した時、
「DD13のラジエータまわりは本当に狭くて、手が入らなくて苦労する…」
というお話を聞いたことがある。あの幅でもまだ整備には苦労があるらしい。
余談だけれどもオートバイでも、コンパクトさを追求するあまり、プラグを交換するだけでもわざわざ燃料タンクを外さなくてはならない機種もあるので、整備性の追求も大事なことかもしれない。
これは改善ということなのか、DD13はエンジンの排気口が、DD11よりも高い所にある。
その方がたしかに、排気ガスが運転台に入り込むことが少ないだろう。
「あれれ、変わってるな」
と思うのは、DD13後期型は、ラジエーターの真上に大きな冷却ファンがあるのだが、そのためにエンジンからわざわざシャフトを引っ張ってきて、直接駆動していること。
現代的な目では、モーターをつけてファンは電動式にしてしまいそうな気がする。
DD51の形式図を見ても、冷却ファンは同じようにエンジン駆動だから、何かしら理由があるのかもしれない。
台車へ動力を伝えるドライブシャフトが走るので、床下に見えている燃料タンクは実は一体ではなく、左右に分割されて分かれているが、これは鉄道模型をする方はよくご存知。