連結器

文字数 494文字


 またまた鉄道模型の話で、関心のない方々には恐縮だが、HOゲージにはケーディーカプラーという連結器があり、子供時代の私には一種のあこがれであった。
 アメリカ製の輸入品で高価だったこともあるが、その形が実物の自動連結器にそっくりで、本当にリアルだったのだ。
 一方で、当時普及していたベーカー連結器は、子供のこづかいで買える値段ではあったが、実物にそっくりな形とはいいがたかった。
 形の良いケーディーカプラーはというと、2両分(4個入り)で確か550円したと思う。国鉄に乗って、隣駅まで30円の時代ですぜ。
 当時、ケーディーカプラーは特許で守られた商品で、類似した廉価版など発売されるはずもなかった。

 現在でも感心するのだが、このケーディーカプラーの構造が素晴らしい。
 実物そっくりの形をして、同じようにもちろん連結できる。だけど動作原理は実物とは全く違うのだ。
 それなりに複雑な構造をした実物の自動連結器を、そのまま同一の形で機能ごと87分の一に縮小できるとは、誰も思わないだろう。
 当然模型と実物の構造は異なってしかるべきだが、それでも外観はよく似ている。どんな天才がデザインしたんだか。
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