ヤスデ
文字数 329文字
「私も現物は見たことがない」
とまず白状しておく。
世にはキシャ・ヤスデという言葉があり、正確にはムカデの仲間なのだろうが、この生物になぜ「汽車」なんて名がついたかというと、これが何年かおきに山中で大発生をし、線路を越えて大移動することがあるそうで。
何千匹だか何万匹だかが大地を覆い、もちろんそれは線路も例外ではない。
そんな時に通りかかった列車は、たちまちスリップして勾配を登れなくなってしまう。
とまあ、それだけならまあよろしい。ところがオマケがありまして。
「まさか特別な意味なんかなかろうよ」
と、あるとき自分のペンネームを辞書で調べてびっくり。
「あめひこ」ではなく「あまびこ」と読んだ場合には、そのまんまヤスデの古名でした。
いかなる因縁ありしか…