DD14

文字数 679文字

 中学生の頃、持っているどの本にも載っていない写真というのがあって…
 それが、 

『DD14の後部を写した写真』

 であります。
 面白い顔をしたロコだから、前部(顔)の写真は何枚か見つかっても、後部の写真はない。
 やっと私がDD14のけつを見ることができたのは、何年か後のことだった。

「へええ、こんな形…」

 いかにもずんぐりむっくりしたロコだけれど、特にボンネットの背が高いのが目立つね。

「なぜDD14はあのようなスタイルなのか」

 どこがどうDD13と違うかって、DD14は要するにラジエーターが上下に大きいのだと思う。
 なぜって、

『DD14は、DD13よりも強力なエンジン冷却能力が必要とされるから』

 想像ですが、冷却能力が最も必要とされるのはエンジン全開時だけれど、そのときDD13であれば列車をけん引して、それなりの高速走行をしているはず。
 そうすればラジエーターにはたくさんの風が当たるので、冷却能力不足を心配する必要はなかろう。
 一方でDD14であれば、エンジン全開とは、ロータリー除雪作業を行っているとき。
 そのときにはノロノロ運転だから、ラジエーターにバンバンと風が当たることは期待できない。
 それゆえ、DD14のラジエーターは、DD13のものよりも大きい。
 あの背の高いボンネットは、この上下に長いラジエーターを格納するためだったんじゃないですかね。
 もしもボンネットをあのように背高くしないのならば、ラジエーター部分だけがまるで塔のように天高く、ボンネットの上につきだすことになるわけで、それは技術者たちの美意識が許さなかったのかもしれないね。


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