譲渡車両

文字数 548文字

 国鉄で廃車になった古いロコを譲り受けて私鉄で走らせるというのは、そもそも珍しいことではなかった。
 ED10、ED11、ED12とそろえた西武鉄道や、ED14の4両をフルコンプした近江鉄道が有名だけれど、小さなところはBタンクから、大きいのは9600、DE10なんかの例もある。
 でもさすがに、Fクラス電機を国鉄から購入した私鉄はない。

 EH10やE10(※)に買い手がなかったのは理解できるが、Bクラスの凸型機で、いかにも私鉄が好みそうなEB10も、なぜかどこにも譲渡されていない。
 なぜだろう?
 ウィキペディアによるとEB10は、終戦直後にピンチヒッターとして某私鉄線へ、電車をけん引するために臨時に送られたことがあるのだが、そのとき

「車両限界に抵触した」

 そうだから、廃車後の譲渡が実現しなかったのも、そのあたりが理由かもしれない。

 現在博物館に展示してある1号機関車も、一時は島原鉄道に譲渡されて走っていたが、鉄道記念物にするために国鉄が買い戻した経緯がある。
 同じようなことは、EC40やED40でも起こっていて、あのゴツい顔のED40が、東武や南海の線路を走っていたなんて信じられます?
(南海では入換用だったらしいですが)

(※)ところが、同じEタンクの4110は私鉄に譲渡されている。
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