バイク
文字数 699文字
京都府の北部が日本海に接していると初めて知った時、なんだか不思議な気持ちがした。
しかし地図を見ると、しっかりそうなっている。
その日本海に近いあたりに加悦鉄道という鉄道があると知ったのは、何の本からだったか。
その頃には私はすでにローカル私鉄ファンだったから、行ってみたいと思っていたが、それがなかなか難しい。
なぜかと言えば、神戸からだと加悦へは当然、福知山線に乗って北上することになるが、それがどう時刻表をひっくり返しても、たとえ始発電車に乗って出発しても、最終電車までに神戸へ帰ってくることができなかった。
そもそも距離が遠いし、乗り換えや接続待ちで時間を取られるので。
それがある時思いついて、原付に乗っていってみる気になった。
もっともそれが加悦への1回目の訪問というわけではなく、それ以前に高校の鉄研の研修旅行みたいなのがあって、それで一度は行っていたが、なにも2回行って悪いという法律はない。
神戸から京都府の日本海側へ、原付に乗って日帰りできるのかという話だが、やればできたよ。帰り付いたらもう夜だったけれど。
原付ではなく、自動二輪に乗るようになると、もっと長距離を走ったりした。
高速道路を利用できるようになるからだけど、あるとき東北地方をツーリングしていて、ぐるりと回って、宇都宮まで戻ってきていた。
そして翌朝、宇都宮市内のホテルを出発したのだけど、なんだか面倒くさい気がして、そのまま一日で神戸まで帰ってきてしまった。
距離にして700キロぐらいあったかもしれないが、若かったので。
それでも帰宅したのは夜だったと思う。吹田あたりではまだ明るかった記憶があるけれど…。