DLの形
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国鉄のDLについて、ふと疑問に感じたことがある。
「すべてのDLではないが、なぜ運転台の側面が上に向かって、すぼまったデザインになっているのか?」
お分かりだろうか? DD13も、DD51もDE10も、みんなそうなっているではないか。
ちょっと表を作ってみると、
『すぼまっている』:
DD11 13 14 15 16 20 51 53 54
DE10 11 15 50
911(新幹線用)
『すぼまっていない』:
DD12 21 50
DF50 200
と、こんなふうになるのだが、『すぼまっている』のはみな液体式で、『いない』のは、一つを除いて電気式であるということ。
ここで、ははあと気が付いた。
DLというのは基本的に、フレームの上にエンジンが鎮座するデザインである。
フレームとは要するに床板のことだが、それゆえにDLは車体の重心がどうしても高くなってしまうのだろう。
電気式の場合には、そこにモーターが追加される。モーターというのも重い部品だが、これは例外なく台車内に収められる。
4個から6個の重いモーターが、電気式DLの重心をある程度引き下げてくれるのだろう。
しかし液体式DLは、そうはいかない。台車内にはギアボックスがあることはあるが、恐らくモーターほどには重くあるまいし、トルコンはトルコンで、エンジンにくっついて床上にあるのだから、重心が高くならないはずがない。
DD51とDE10は、DD13ほども高い位置にトルコンが置かれているわけではないが、それでもモーターよりは重心を押し上げるだろう。
では重心が高いと、どういうまずいことがある?
想像だが、恐らく走行時、車体のローリングが激しくなる。
ローリングというのは、車体を前から見た時に、頭を右左右左と振るタイプの揺れ方。
もしも私の想像通りであるなら、重心の高い液体式DLは、走行時に派手にローリングしやすい。だから万が一にも車両限界からはみ出すことがないよう、あらかじめ車体の上部をしぼった形にしてあるというのは、いかがであろう。
電気式DLは、たぶんそこまで重心が高くはなく、ローリングも知れているのだろう。
最後に残るのがDD21だが、こやつは液体式のくせに車体をしぼっていない不届き者であるが、これも理由が想像できる。車体の前後に固定されたラッセルヘッド(2個もある)が思いのほか重く、重心を下げるのに一役買っているのではと…