つづき
文字数 719文字
駅名は忘れたけれど、土讃線のある駅で、私の乗っていた普通列車は特急と急行、2列車と交換だか退避だかをすることになっていた。
そのための長時間停車で、もちろんダイヤ通りの行動。
だけどその停車時間が45分もありまして、することがないから町を歩いて時間をつぶしたことがある。
A駅・・・この駅・・・B駅
と近隣の駅が並んでいるとして、A駅からB駅へ行きたい人は、どうしたのだろう。
2区間の実質の走行時間は10分程度のことだろうに、55分もかかっちゃう。
昭和40年代、駅で切符を購入するのは有人改札口。
自動販売機なんてまだ存在しない(年代にもよりますが)。
自動販売機があっても、販売機では近場の切符しか購入できない。
少し距離のある切符だと、みな有人の対面になる。
そういえば小学校1年生ぐらいの社会科の授業で、駅について学ぶ単元があり、「改札口」と「出札口」の違いがうまく覚えられなくて困った記憶がある。
そういう有人出札口の話。
山陽線の車内で、知らないオジサンが連れに文句を言っていた。
それが大きい声でね。
なんでも、
「有人改札口で、間違った切符を売りつけられた」
とかで。
聞くともなしに聞いていると、
「赤穂(あこう)行きの切符をくれと言ったのに、英賀保(あがほ)行きを売られた」
と怒っている。
だけどねオジサン、あなたのミスだと思いますよ。
どう聞いてもあなたの発音が原因です。
赤穂(あこう)を「あかほ」と発音してますがな。
「それじゃあ、『あがほ』と聞き間違えても仕方がない」
と思って調べてみたら、なんと古い時代には、赤穂を本当に「あかほ」と発音していたそうな。
おやおや、どうもこのエッセイ作者はそそっかしくて困る。