休講の日
文字数 563文字
学生時代には、何かの都合で講義が休講になることが時々あった。
すると履修科目の関係や、間に昼休みが入ったりすると、突然3時間ほども空いてしまうことになる。
そんなとき私はすぐに学校を抜け出して、阪急の駅へと急いだ。
向かう先は梅田であるが、鉄道模型の店へ行くのではなく、切符を買って、大阪駅の1番線へと階段を上がるのだ。
するといいタイミングで、福知山行き(篠山口行だったかも)の普通列車が待っている。
DD51が旧型客車をけん引する編成だが、あの時期にはもうほとんど茶色の客車はおらず、みな更新済みの青いスハ43系ばかりだった。
そして時間が来て、列車は発車する。
あの当時、日中の福知山線に乗客は少なく、天候が許せば窓は全開にしてある。
そうやって客車の旅を楽しんで宝塚で下車し、また阪急に乗って学校へ戻り、授業を受けた。
たしかこれを2回やった記憶がある。
その2回目の編成が変わっていて、いつものような青いスハ43系だったが、なぜか最後尾にオハニ36がついていた。
茶色いやつで、またなぜか荷物室を前に向けて、つまり逆向きに連結されていた。私がこいつに乗車したのは言うまでもない。
オハニ36が大阪までやってくるというダイヤは聞いたことがなく、あくまで想像だが、検査入場で高砂工場へ入っての帰りだったのかもしれない。