神戸港
文字数 425文字
あれは「とっぽう」と読むのか、それとも「つきはなし」なのか、友人と議論して結論の出た記憶はない。
だから「突放禁止」が「とっぽう・きんし」なのか「つきはなし・きんし」なのか、言い合いにもならなかった。
方言かもしれないが、私の近在では「つきはなし」と読んでいたかもしれない。
かつて神戸港には、引き込み線がいくつも伸びていた。
入換機はDD13だったが、長く広いエリアでもあり、入換作業員がもちろん何十人も必要になる。
駅から港の現場まで、この人たちはどうやって移動したのか。例えば兵庫駅から新港の突堤先端まで、数キロはあったろうに。
ロコのデッキに鈴なり? あるいは控車を利用する?
そういう現場ももちろんあったろうが、私の記憶は違う。
入換係の移動には自転車を利用していた。数台にささっと分乗し、ロコにまとわりつくようにして道路を走る。現場に着けば自転車を降り、いつもと同じように入換作業をする。
ここが済むと、また自転車に分乗して次の場所へ。