セノハチ

文字数 360文字


 またまた大昔の話。
 若いころ、私の母は八本松に下宿していた。
 そう、あのセノハチの八本松。
 通勤先は広島市内。ということはつまり、母は毎日列車に乗って、セノハチを上り下りしていたということ。
 何か覚えていることはないかと質問しても、鉄道には興味がない人なので要領を得ず、ただ、

「瀬野・八本松間は1000分の88の上り勾配で…」

 おやおや待たれい。正確には1000分の22ですな。
 88もあれば碓氷峠どころか、箱根登山鉄道よりもきついことになる。
「88」という数字を、母は甥の口から聞いたことらしく、どこでどう間違えたんだか。

 ところであのう、母の独身時代のことですが、セノハチの主はEF67ではなく、EF61でもなく、EF59でもなくて、D52でやんした。
(ちょっと調べてみたが、C52がいたのはそのはるか以前のこと)
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