DD12
文字数 862文字
もしも私が、
「私は関西人なのに、DD12を見たことがある」
と発言したら、きっとみなさんは
「嘘やで」
とおっしゃるであろう。まあウソなんですけどね。
(国鉄DD12は昭和49年に廃車。運用はほぼ関東のみ)
アメリカを旅行した時、ある保存鉄道をガイドブックに見つけ、立ち寄ってみた。
コロラド州あたりは昔からナローゲージの宝庫で、日本と違って軌間914ミリの車体は国鉄サイズとほぼ同じで、実にいい感じ。
「国鉄サイズってあれか?」
と言いつつC62なんぞを指さす意地悪な方が目に浮かぶが、キハ41000とかの旧型車とはほんの一回りしか違わない感じ。
特にKクラスというSLはアメリカ人の目にもいとおしく映るのか、あちこちで保存されているのを何両も目にした。
KクラスのKは車軸配置を表し、有名な話だが、これが日本語由来なんですな。
「ミカド」
ああ、かの日本鉄道9700型のまいた種は、現代も脈々と息づいているのであります。
(miKado の K)
この保存鉄道にはロッキー山脈の真ん中に、ループ型をしながら登ってゆく鋳鉄製の巨大な鉄橋という印象的な区間があって、
(餘部鉄橋がトグロを巻いている感じ)
動態保存のKクラスにトキ(貨車の)を引かせ、それに観光客を乗せることで収益を図っていた。
当然私もその乗客になったけど、蒸気けん引の列車って、いざ乗車してしまうと肝心のロコは見えなくなるんですな。
まあそれはよろしい。
この保存列車、途中に側線があり、真横を通る。
おそらく保線用なのだろうが、その側線にはディーゼル動力の車両が留置されているのが、樹木の向こうに屋根だけ見えている。
「あれれ? どこかで見知っている雰囲気」
そりゃあ、どこからか持ってきた中古DLでしょうよ。普段はチキでも引いているのかな。
車体は明るい緑に塗られている。GEのやつだね。
そこで気が付いた。
「げっ、(軌間は違うが)あれはDD12じゃん」
もともとDD12は終戦直後に米軍がそのまま持ってきたものだから、形がそっくりなのは当たり前なんですが。