HOゲージ

文字数 667文字


 50年前のHOゲージには、奇妙な習慣があった。
 50年前と言えば、ちょうどNゲージが発売された頃だけれど、たとえばHOゲージのクモハ165なら、運転台側と連結面には、なぜかそれぞれ異なる連結器が取り付けられていた。
 連結面側がドローバーで、運転台側は、当時の機関車や貨車に主に使われていたベーカーカプラーというやつ。
 なぜそうだったのか理由は知らないが、目立つ先頭にドローバーというのは見栄えがしないからかもしれない。
 だけど問題が発生する。
 例えばクモハ165が編成中間に入る時など、

…モハ164 + クモハ165 + サロ165…

 サロについているのはもちろんドローバーだから、クモハかサロ、どちらかの連結器を交換しなくてはならない。
 とはいえ、ネジ一本のことなんですけどね。

 この頃のHO車両の車内には、もちろん座席などついていない。
 当時の動力は縦型モーターを用いたものが一般的で(※)、これが車内に大きく鎮座しているから、座席などつけようがなかったのが本当のところ。
 実を言うと、Nゲージの車両を初めて分解したとき、プラスティックのモールドだけれど座席が並んでいるのを見てびっくりした記憶がある。

 当時のHOゲージの習慣と言えば、モーター数のこともある。
 例えばモハ164がそうで、なんとモーターが2個も取り付けられていた。
 まったく強力機もいいところで、7、8両のトレーラーを軽々と引っ張る。
 EF65などと同型のモーターだから、それこそ冗談抜きで同等のパワーがあったはず。

(※)事実上DV18モーターの独占状態だった。
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