異変の裏ダンジョン 3

文字数 813文字

 粗方(あらかた)敵を倒し終え、一行は次の扉目指して歩いていた。次は十五階層だ。

 階段を上り、扉を開けると、そこで目にしたのは雪原だ。

「今度は雪!? 寒暖差でおかしくなっちゃうわよ!!」

 ルーの言う通りだった。裏ダンジョンの敵は魔物だけではない。その予測できない気候も肉体と精神を蝕んでいた。

「汗が冷えちゃう……。風邪ひきそう……」

 皆もルーと同じ気持ちである。ムツヤはコートを人数分取り出し、手渡した。

 ムツヤが先頭に立ち、魔剣『ムゲンジゴク』を縦に振るい、炎の斬撃を飛ばす。

 すると、雪原に一直線の道が出来た。

「凄い、道が……」

 ユモトは思わずそう呟く。その道を歩いていると、ムツヤがふと歩みを止めた。

「敵が来てまず!!」

 仲間達は周りを見渡す。すると、遠くに何かが見えた。

 それらは近付き、姿がはっきり見えるようになる。白い毛が生えた巨大な猿の魔物だ。

「あれは……」

 剣を引き抜いてモモは構えた。ムツヤは飛び出して猿の魔物を次々斬り捨てる。

 群れでやってきたようで、数が多すぎてムツヤが数匹倒し損ねた魔物がアシノ達を襲う。

 モモとヨーリィが前に(おど)り出て、魔物と対峙する。

 ヨーリィは木の杭を魔物に投げつけ、ナイフを顔面に突き刺した。思わず怯む猿の魔物。

 その生まれた隙に一気に駆け寄ってモモは剣で切り捨てた。

 別の魔物がモモに襲いかかるが、無力化の盾で拳を受け止め、その腕を斬り落とした。 

 ムツヤは爆発魔法や剣撃で派手に暴れている。やがて魔物は居なくなった。

「これで終わりか」

 アシノが言うと同時にムツヤが隊列に帰ってきた。

「皆、怪我は無い!?」

 ルーが心配そうに言うが、誰も怪我はしていない。

 しばらく歩くと、扉が見える。

 荒野を抜け、森林を抜け、ムツヤ達は二十階層までたどり着いた。

「二十階なので次は強い敵が出まず」

「十階層毎にボスが出るって所か?」

「はい、そうでず!」

 ムツヤの言葉を聞いて、仲間達はより一層気を引き締める。
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登場人物紹介

名前:ムツヤ・バックカントリー


 裏ダンジョンを遊び場にする主人公、ちょっと頭が残念。

名前:モモ


 オークの女の子

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