ギルドマスター 4
文字数 1,132文字
ここで1つ咳払いをしてトウヨウは立ち上がった。オールバックで固めた白髪と老いてなお健在といった風格が伝わる。
「ムツヤ、アシノ。ここに冒険者のギルドマスターとしての依頼を与える。内容は『キエーウが持つ裏ダンジョンの道具の回収。及びカバンを死守せよ』」
野太い声でトウヨウが宣言すると、アシノはフッと笑って話し始める。
「注意事項は?」
「ムツヤの正体、それに裏の道具の存在とカバンの存在はこの部屋に居る者以外に俺の許可無く話してはならん」
「了解。で、事情を知っているキエーウの連中はどうする?」
今度はトウヨウがため息をついた後に言葉を紡ぐ。
「キエーウはテロ組織として国で認定されている。襲いかかられたら殺してしまっても罪にはならん」
殺すという単語が聞こえてモモとユモト、そしてムツヤも身構えた。
「自分達の命の危険を感じたら賊を殺すこともやむを得ない、これは冒険者として高みを目指すなら避けては通れない道だ」
「はい……」
目線を左下に逸らしてムツヤは返事をする。それをモモは心配そうに見つめた。
「俺もお前達が動きやすいように裏から手は回しておく、それとモモ、ユモト、ヨーリィ、お前達の意志も確認しておきたい」
トウヨウはモモ達を見て言った。
「これは非常に危険な依頼だ。命を落とす可能性もある」
「私はご主人様のお側を離れることが出来ません、どこまでもご主人様にお供します」
意外にも最初に返事をしたのはヨーリィだった。それに続けてモモも答えを出す。
「私はムツヤ殿に借りがあります。それに亜人を殺し続けるキエーウはオークの私にとっても見過ごせる存在ではありません、ムツヤ殿にお供します」
残るはユモトだけだが、ユモトの心臓はこれまで無いぐらいにドクドクと脈打ち、緊張で手先が痺れていた。
「ユモトさん、無理はしなくて良いんですよ」
ムツヤは優しくユモトに声を掛けた、その声にハッとしてユモトは桃色の唇を開ける。
「僕は、僕の命は…… ムツヤさんが居なければ今頃は無かったものかもしれません。命の恩人のムツヤさんが困っているなら……」
「ユモトさん、前も話しまじだげど、その事で俺に負い目? って言うんでしたっけそういうの? とにかくそういった事を感じなくて良いでずよ」
「ぼ、僕は…… 僕は……」
ユモトはムツヤの言葉に自分の中の弱さがなびいてしまいそうだった。スゥーッと息を吐いて決意する。
「命の恩人というだけじゃなくって、僕はムツヤさんの役に立ちたい、守りたい!…… です」
ユモトの決意を確認するとトウヨウは優しく笑って「そうか」と言った。
「それと、俺から1人推薦したい人物がいる。戦力にもなるし裏の道具の研究にも役立つと思うのだが」
「わがりまじた、よろしぐお願いします」
「ムツヤ、アシノ。ここに冒険者のギルドマスターとしての依頼を与える。内容は『キエーウが持つ裏ダンジョンの道具の回収。及びカバンを死守せよ』」
野太い声でトウヨウが宣言すると、アシノはフッと笑って話し始める。
「注意事項は?」
「ムツヤの正体、それに裏の道具の存在とカバンの存在はこの部屋に居る者以外に俺の許可無く話してはならん」
「了解。で、事情を知っているキエーウの連中はどうする?」
今度はトウヨウがため息をついた後に言葉を紡ぐ。
「キエーウはテロ組織として国で認定されている。襲いかかられたら殺してしまっても罪にはならん」
殺すという単語が聞こえてモモとユモト、そしてムツヤも身構えた。
「自分達の命の危険を感じたら賊を殺すこともやむを得ない、これは冒険者として高みを目指すなら避けては通れない道だ」
「はい……」
目線を左下に逸らしてムツヤは返事をする。それをモモは心配そうに見つめた。
「俺もお前達が動きやすいように裏から手は回しておく、それとモモ、ユモト、ヨーリィ、お前達の意志も確認しておきたい」
トウヨウはモモ達を見て言った。
「これは非常に危険な依頼だ。命を落とす可能性もある」
「私はご主人様のお側を離れることが出来ません、どこまでもご主人様にお供します」
意外にも最初に返事をしたのはヨーリィだった。それに続けてモモも答えを出す。
「私はムツヤ殿に借りがあります。それに亜人を殺し続けるキエーウはオークの私にとっても見過ごせる存在ではありません、ムツヤ殿にお供します」
残るはユモトだけだが、ユモトの心臓はこれまで無いぐらいにドクドクと脈打ち、緊張で手先が痺れていた。
「ユモトさん、無理はしなくて良いんですよ」
ムツヤは優しくユモトに声を掛けた、その声にハッとしてユモトは桃色の唇を開ける。
「僕は、僕の命は…… ムツヤさんが居なければ今頃は無かったものかもしれません。命の恩人のムツヤさんが困っているなら……」
「ユモトさん、前も話しまじだげど、その事で俺に負い目? って言うんでしたっけそういうの? とにかくそういった事を感じなくて良いでずよ」
「ぼ、僕は…… 僕は……」
ユモトはムツヤの言葉に自分の中の弱さがなびいてしまいそうだった。スゥーッと息を吐いて決意する。
「命の恩人というだけじゃなくって、僕はムツヤさんの役に立ちたい、守りたい!…… です」
ユモトの決意を確認するとトウヨウは優しく笑って「そうか」と言った。
「それと、俺から1人推薦したい人物がいる。戦力にもなるし裏の道具の研究にも役立つと思うのだが」
「わがりまじた、よろしぐお願いします」