キエーウ最終決戦 2
文字数 1,042文字
「やめろ!!!」
ムツヤは怒りに任せて男を殴り飛ばそうとするが、別の亜人達がその間に入って互いに剣と斧を構えた。
「勇者様の言う通りにするか? それともカバンをこっちによこすか?」
ハッと笑って男は続けて言う。
「お前はこの亜人達を見捨てるか?」
「ムツヤ!! 行け!!」
アシノが叫ぶが、ムツヤはそのまま立ち尽くしていた。
「できません……」
「何を言ってんだ!! どの道このままじゃ亜人は死ぬんだぞ!!!」
「それでも、それでも目の前の人達を見捨てることなんてできません!!」
「ならばそのまま大人しくしておくんだな」
1人の亜人をムツヤの元へと向かわせてカバンを回収しようとする。その一瞬のスキを待っていたのだ。
音もなくヨーリィが飛び出し、男の首に木の杭を投げた。それは深々と刺さり、ムツヤは思わず目を背けた。
「が、がぼぼぼぼぼ」
あふれる血で断末魔がかき消される。亜人達は拘束が解けたようで地面に倒れ込んだ。
ムツヤは斬りあった亜人達に回復薬を掛けた後、男の元まで走り、杖を奪い、拘束魔法を掛けて。
回復薬を振りかけた。
「ばや、びゃんびやん!!!」
男は血を吐いた後奇声を上げて傷が治る。
「甘いんだな、君は」
男はハハハハと笑って言う。ムツヤの後ろからはアシノ達が近づいてきた。
「コイツの注意をこっちに向ける為に一芝居うったんだ。お前なら目の前の亜人を見捨てるような事はしないと思ってな」
そう言った後に「すまなかったな」とアシノはムツヤに詫びた。
「そうだったんですか……」
ムツヤはホッとして言う。そんな中、男が一言言葉を放った。
「いいさ、俺の役目は…… 時間を少しだけ稼ぐことだからな」
「どういう事だ?」
アシノが言うと同時に強い魔力をムツヤとユモト、ルーは感じ取った。
「何か来るわ!!!」
小屋の窓がギィっと開いて中から青い光がムツヤ目掛けて一直線に伸びる。流石のムツヤも光の速度は避けることが出来ない。
「ぐあああああああ!!!」
「ムツヤ殿!!」
「ムツヤさん!!」
光を浴びたムツヤは地面に片膝を付いた。
そして、小屋から周りの森から、ぞろぞろと人が出てくる。
「はじめまして、ムツヤくん。私がキエーウのリーダー、ダクフだ」
細身の男が話しながら小屋から出てきた。そして片手に持つものを見てムツヤは驚く。
「お前、それは……」
「あぁ、これは2つしか無くてね。1個は下等な亜人に使ってしまったよ。無駄遣いだったかな」
「ムツヤ、あの道具が分かるのか?」
アシノが聞くとムツヤは頷いて答える。
ムツヤは怒りに任せて男を殴り飛ばそうとするが、別の亜人達がその間に入って互いに剣と斧を構えた。
「勇者様の言う通りにするか? それともカバンをこっちによこすか?」
ハッと笑って男は続けて言う。
「お前はこの亜人達を見捨てるか?」
「ムツヤ!! 行け!!」
アシノが叫ぶが、ムツヤはそのまま立ち尽くしていた。
「できません……」
「何を言ってんだ!! どの道このままじゃ亜人は死ぬんだぞ!!!」
「それでも、それでも目の前の人達を見捨てることなんてできません!!」
「ならばそのまま大人しくしておくんだな」
1人の亜人をムツヤの元へと向かわせてカバンを回収しようとする。その一瞬のスキを待っていたのだ。
音もなくヨーリィが飛び出し、男の首に木の杭を投げた。それは深々と刺さり、ムツヤは思わず目を背けた。
「が、がぼぼぼぼぼ」
あふれる血で断末魔がかき消される。亜人達は拘束が解けたようで地面に倒れ込んだ。
ムツヤは斬りあった亜人達に回復薬を掛けた後、男の元まで走り、杖を奪い、拘束魔法を掛けて。
回復薬を振りかけた。
「ばや、びゃんびやん!!!」
男は血を吐いた後奇声を上げて傷が治る。
「甘いんだな、君は」
男はハハハハと笑って言う。ムツヤの後ろからはアシノ達が近づいてきた。
「コイツの注意をこっちに向ける為に一芝居うったんだ。お前なら目の前の亜人を見捨てるような事はしないと思ってな」
そう言った後に「すまなかったな」とアシノはムツヤに詫びた。
「そうだったんですか……」
ムツヤはホッとして言う。そんな中、男が一言言葉を放った。
「いいさ、俺の役目は…… 時間を少しだけ稼ぐことだからな」
「どういう事だ?」
アシノが言うと同時に強い魔力をムツヤとユモト、ルーは感じ取った。
「何か来るわ!!!」
小屋の窓がギィっと開いて中から青い光がムツヤ目掛けて一直線に伸びる。流石のムツヤも光の速度は避けることが出来ない。
「ぐあああああああ!!!」
「ムツヤ殿!!」
「ムツヤさん!!」
光を浴びたムツヤは地面に片膝を付いた。
そして、小屋から周りの森から、ぞろぞろと人が出てくる。
「はじめまして、ムツヤくん。私がキエーウのリーダー、ダクフだ」
細身の男が話しながら小屋から出てきた。そして片手に持つものを見てムツヤは驚く。
「お前、それは……」
「あぁ、これは2つしか無くてね。1個は下等な亜人に使ってしまったよ。無駄遣いだったかな」
「ムツヤ、あの道具が分かるのか?」
アシノが聞くとムツヤは頷いて答える。