オークの村の救世主になろう 6
文字数 1,240文字
「ムツヤ殿? ムツヤ殿、起きて下さい」
ムツヤはモモに体を揺さぶられて目が冷めた。
いつの間にか寝ていてしまったらしい。
あまりに気持ちよさそうに寝ていたからそのままにしておいてくれたのだという。
頭が段々と冴えてくるとムツヤの目の前にはいい香りのする料理が運ばれてきた。
似たようなものは作ったことがあるがそれよりもずっと美味しそうだ。
「お客人が来るとは思わず、普段どおりの食事で申し訳ないのですが……」
モモは少しバツの悪そうに下を向いて言った。
妹を村を救ってくれた客相手にこの様なもてなしが精一杯の自分が恥ずかしい。
「いえいえ、美味しそうでずよ。モモさんありがとう、いだだぎます」
皮肉を言われたのではないかと不安になったが、ムツヤ殿はそのような事は言わないだろうとそのまま感謝の意味としてモモは受け取る事にし、笑顔を作る。
「どうぞ、お召し上がり下され」
ムツヤの目の前に出されたものは多分シチューと、焼き魚にソースが掛かった物。
それと、見知ったものとは形は違うが、細長い物はパンだろう。どれも一応は食べたことがある。
祖父には申し訳なかったが全てが今まで食べた物の数倍美味しそうだ。
シチューを一口食べる。何の乳だろうか。
元の世界では死体の残る怪物を捌いて取り出した薄い味の物しか飲んだことがない。
初めて味わう深いコクとまろやかさ、それと、とても良く合う野菜たちの優しい甘みと食べごたえのある柔らかい肉にムツヤは感動した。
「こんなに美味しいものは生まれて初めて食べました」
「そんな、またまたご冗談を……」
そう言ってモモは笑うが、ムツヤの顔を見ると、あながち冗談でもお世辞でも無いような気もした。
モモは気付いたのだがムツヤは感情の全てがそのまま顔に出る。
「こっちの世界に来て本当に良かっだです、ごんなに美味じいものがあるなら毎日食べたいぐらいですよ」
その言葉を聞いてモモはうっと小さく言うと顔を赤くして下を向いた。
「そ、そんなたいしたものではありません。ただ、その、身に余る光栄ですし、恩人のムツヤ殿がお望みとあればその、毎日でもお作りし…… いや、何を言っているのだ私は!」
「いえいえ、そんな毎日食べに来るなんてそんな悪いごど出来ねっすよ、出来ればそうしたい所ですげども」
ムツヤの言葉には裏表がない。モモもそれはわかっていた。
きっとムツヤ殿はただ純粋に毎日この料理が食べたいと言っているのだろう。
「あ、あーうーえーっとご、ご冗談も程々にお願いしますムツヤ殿!」
「ご、ごめんなさい、何が怒らせるような事をしてしまったのでしたら謝ります。そうですよね、やっぱ毎日ご飯を食べに来るなんで言うのはダメでずよね。その、今までじいちゃ…… 祖父以外と話したごと無かったもので……」
冗談ではないとわかっていた上でそう言ってしまった事をモモは後悔した。
分かりやすいぐらいに落ち込んで下を向いてしまったムツヤ。何か二人の間でとてつもない勘違いが始まってしまったらしい。
ムツヤはモモに体を揺さぶられて目が冷めた。
いつの間にか寝ていてしまったらしい。
あまりに気持ちよさそうに寝ていたからそのままにしておいてくれたのだという。
頭が段々と冴えてくるとムツヤの目の前にはいい香りのする料理が運ばれてきた。
似たようなものは作ったことがあるがそれよりもずっと美味しそうだ。
「お客人が来るとは思わず、普段どおりの食事で申し訳ないのですが……」
モモは少しバツの悪そうに下を向いて言った。
妹を村を救ってくれた客相手にこの様なもてなしが精一杯の自分が恥ずかしい。
「いえいえ、美味しそうでずよ。モモさんありがとう、いだだぎます」
皮肉を言われたのではないかと不安になったが、ムツヤ殿はそのような事は言わないだろうとそのまま感謝の意味としてモモは受け取る事にし、笑顔を作る。
「どうぞ、お召し上がり下され」
ムツヤの目の前に出されたものは多分シチューと、焼き魚にソースが掛かった物。
それと、見知ったものとは形は違うが、細長い物はパンだろう。どれも一応は食べたことがある。
祖父には申し訳なかったが全てが今まで食べた物の数倍美味しそうだ。
シチューを一口食べる。何の乳だろうか。
元の世界では死体の残る怪物を捌いて取り出した薄い味の物しか飲んだことがない。
初めて味わう深いコクとまろやかさ、それと、とても良く合う野菜たちの優しい甘みと食べごたえのある柔らかい肉にムツヤは感動した。
「こんなに美味しいものは生まれて初めて食べました」
「そんな、またまたご冗談を……」
そう言ってモモは笑うが、ムツヤの顔を見ると、あながち冗談でもお世辞でも無いような気もした。
モモは気付いたのだがムツヤは感情の全てがそのまま顔に出る。
「こっちの世界に来て本当に良かっだです、ごんなに美味じいものがあるなら毎日食べたいぐらいですよ」
その言葉を聞いてモモはうっと小さく言うと顔を赤くして下を向いた。
「そ、そんなたいしたものではありません。ただ、その、身に余る光栄ですし、恩人のムツヤ殿がお望みとあればその、毎日でもお作りし…… いや、何を言っているのだ私は!」
「いえいえ、そんな毎日食べに来るなんてそんな悪いごど出来ねっすよ、出来ればそうしたい所ですげども」
ムツヤの言葉には裏表がない。モモもそれはわかっていた。
きっとムツヤ殿はただ純粋に毎日この料理が食べたいと言っているのだろう。
「あ、あーうーえーっとご、ご冗談も程々にお願いしますムツヤ殿!」
「ご、ごめんなさい、何が怒らせるような事をしてしまったのでしたら謝ります。そうですよね、やっぱ毎日ご飯を食べに来るなんで言うのはダメでずよね。その、今までじいちゃ…… 祖父以外と話したごと無かったもので……」
冗談ではないとわかっていた上でそう言ってしまった事をモモは後悔した。
分かりやすいぐらいに落ち込んで下を向いてしまったムツヤ。何か二人の間でとてつもない勘違いが始まってしまったらしい。